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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み
伊藤 さとり
俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ
ゴールデン・リバー
19/7/5(金)
TOHOシネマズ シャンテ
ジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスが殺し屋兄弟で、彼らを追うことになるのがジェイク・ギレンホールですって? こんな素晴らしいキャスティングなら面白いに違いないでしょ? この高揚感の中、映画を観ると、やっぱり想像通りで登場人物誰もが魅力的でありました。 不細工と言われながら優しいお兄ちゃんジョン・C・ライリー、お酒を飲むと手に負えない狂犬みたいな弟ホアキン、そして良い人ぶって実は計算高そうで実は人情家なジェイク。さらにダークホースだったのが、人たらしの化学者を演じたリズ・アーメッドの存在! 西部劇で、殺し屋たちのよくある逃走劇のロードムービーなのだけど、この映画が面白いのは、この4人の厄介な感情と人間性やら、トラウマに囚われている性格にあり。それをカメレオン俳優たちが、楽しんで演じているお陰で、登場人物4人の色んな一面が、ストーリーが進むごとに見えてきて、結果的に4人が集まったときに起こる化学反応がまた面白い。 西部劇というより心理サスペンスという言葉のほうがしっくりくるこの映画は、今まで色んな役を演じてきた彼らだからこそ楽しめるキャラクターであり、演技力が無いと原作の魅力を引き出せない難しい作品なのかもしれない。
19/7/2(火)