Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

令和2年9月文楽公演

コロナ禍によりしばらく休演が続いていた文楽公演。9月の国立劇場では四部制で再開される。第一部で『寿二人三番叟』『嫗山姥』、第二部は『鑓の権三重帷子』、第四部は『壺坂観音霊験記』。 第三部は歌舞伎でもよくかかる『絵本太功記』の十段目だ。大河ドラマ『麒麟がくる』でもおなじみの明智光秀がモデル。光秀の反乱によって織田信長が討ち死にし、羽柴秀吉が光秀を討つまでの六月一日からの十三日間を一日一段ずつの構成で描いた。 中でも有名なのは、十日目の「尼崎の段」。小田春長(信長)によって武智光秀(明智光秀)は恥辱をたびたび受け、本能寺の春長を夜襲、春長は自害する。この段はこの事件の後を描いた物語。前半を「夕顔棚の段」、後半を「尼ケ崎」と呼ぶ。 光秀の息子の十次郎と初菊の祝言が行われるが、十次郎は直ちに出陣しなくてはならない。そこへ光秀の大胆で怪異な登場。真柴久吉(羽柴秀吉)と思って竹やりを障子へ差し込むと、久吉ではなく母の皐月であった。十次郎も傷を負い最期となる。さて光秀と久吉の決戦は? 光秀の迫力と凄みある出が有名だ。明治の三味線の名人豊沢団平は腕力の強い三味線弾きで、太棹の弦に撥(ばち)をたたきつける、文字通り“タタキ”と呼ばれる奏法がすさまじかったとか。表にいた木戸番が大道具が倒れたかと慌てたという有名なエピソードも残っている。

20/8/23(日)

アプリで読む