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水先案内人のおすすめ

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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

DUNE/デューン 砂の惑星

2時間半をこえるが、あっという間だった。 「観る」というより、「体験した」感覚。 ほぼ全篇に音楽が鳴り響き、ワーグナーのオペラのようだ。 そこで描かれる、帝国と公爵家と男爵家の陰謀と殺戮のドラマもワーグナー的だ。 原作はフランク・ハーバートが1965年から85年まで書き続けた大長編SF。その冒頭部分の映像化だ。デイヴィッド・リンチも映画にして、1984年に公開されているが、基本は同じストーリーなのに印象はまったく異なる。 映像叙事詩的な映画で、ひたすら美しい(醜いものすら)。そして低音を強調した音楽は、はるかな未来の異なる惑星の自然音であるかのように響く。 はるかな未来が舞台なのに、建物も服装も、そして武器すらも中世的。そのあたりは『スター・ウォーズ』と同じなのだが、それはジョージ・ルーカスが『DUNE』の影響を受けているからで、その意味では、『スター・ウォーズ』の原点だ。砂漠に巨大な虫が棲んでいる設定は、『風の谷のナウシカ』が模倣している。 主人公が自分の進むべき道を認識するところで終わる。つまり、全てはこれから始まる。長いプロローグに過ぎない。 はたして、原作のどこまでが、映画になるのだろう。

21/10/11(月)

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