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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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新進女優や新たな才能にフォーカスした作品を中心に紹介

イソガイマサト

フリーライター

AWAKE

2015年の将棋電王戦FINAL第5局の棋士とコンピュータの対局に着想を得た異色の青春ムービーだが、新鋭・山田篤宏監督による秀逸なオリジナルシナリオとともに目が釘づけになるのは、将棋の世界では夢に破れながらもAI将棋でリベンジする主人公を演じた吉沢亮と、孤高の天才棋士に扮した共演の若葉竜也のなりきりぶりだ。 何しろ、吉沢は体型から歩き方や普段の姿勢、瞳孔の開き方までオタクそのもので、『銀魂2 掟は破るためにこそある』や『キングダム』のときのカッコよさが微塵も感じられないかわりに、人間臭さがじんわり。若葉に至ってはセリフもほぼなく、実際は将棋のルールすら知らないのに指し手だけを覚えて天才棋士に説得力をもたせているのだ。 そんなふたりが対局するクライマックスは、当然、静かな熱気と緊張感を満ちていて圧巻!  彼らがちゃんと会話をするシーンはひとつもないのに(子役のパートではあるが)、廊下ですれ違うシーンなどで心が通い合ったことが分かるのも嬉しい驚きだ。それを伝える、ふたりの繊細な仕草と表情に誰もが魅せられるに違いない。

20/12/21(月)

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