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水先案内人のおすすめ

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映画と気になることをイラストで紹介!

高松 啓二

1958年生まれ イラストレーター

バルーン 奇蹟の脱出飛行

ベルリンの壁がある冷戦時代。1979年7月3日シュトレルツィク家族は、東ドイツから熱気球で西ドイツへ亡命しようとする。しかし、国境を超える事ができず墜落してしまう。それでも家族は、再度挑戦するのであった。熱気球、脱出なんてタイトルに往年の冒険映画のようで心躍るが、実話の映画化である。当時の東ドイツは、秘密警察“シュタージ”が監視社会を支配し、捕虜収容所みたいな日常である。なので家族の亡命は『大脱走』を思わせる。脱走モノの見所は、準備段階のディテールの描き方だ。ホームパーティを装い、地下でせっせと気球を縫い、怪しまれないように布を分散して買い集める努力に応援したくなる。そして気球が飛び上がると夢を乗せたファンタジーのようなロマンチックさと追っ手のサスペンスが、越境の瞬間を盛り上げる。テレビで『チャーリーズ・エンジェル』が放送されていた頃の出来事である。

20/7/10(金)

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