評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります
堀 晃和
ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。
八王子ゾンビーズ
20/7/17(金)
新宿バルト9
“ゾンビ”は今や映画のジャンルのひとつになったと言っていい。今年も、ジム・ジャームッシュ監督の『デッド・ドント・ダイ』が公開されたばかり。ゾンビをテーマにした映画はこれまでにも数多く製作され、一部熱狂的な支持を獲得してきた。人気放送作家の鈴木おさむが監督・脚本を担当した本作では、ゾンビたちが愛すべき存在として描かれ、笑って泣ける極上のエンタテインメントに仕上がっている。 オーディションに落ち、ダンサーになる夢に破れた羽吹(山下健二郎)は、自分探しのために東京・八王子の山寺で修行体験を始める。ある日、羽吹の前に現れたのは「八王子ゾンビーズ」と自称する8人の“イケメンゾンビ”たち。満月に向かって踊れば、成仏できるというゾンビたちにせがまれ、羽吹は培ったダンスを教えることになったが……。 羽吹とゾンビたちのコミカルなやりとりがなんとも面白い。まるでテレビのバラエティーを見ているような幸せな気分になる。ゾンビたちに恨みを持つ住職との対決場面も見物だ。やはり一番の見所は羽吹とゾンビたちのダンスシーン。曲にのって踊る様子を見ていると、自然と身体を揺らしてしまう。そして懸命にステップを踏む姿が胸を打つ。
20/7/15(水)