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やっぱりSF映画が好き!
渡辺 麻紀
映画ライター
囚われた国家
20/4/3(金)
イオンシネマ板橋
鈍色の空と疲れ果てた人間。そびえたつ不気味なモニュメントと、個人を暴き出す監視社会。そういうSF的設定やアイテムを散りばめたルパート・ワイアットの『囚われた国家』は、エイリアンに侵略された世界を描くディストピアものだが、同ジャンルのそれと大きく異なるのは一貫したリアリズム。色彩を抑え、派手さも封印してドキュメンタルなタッチを駆使し、おぞましい世界に抗い、自由を取り戻そうとするレジスタンスの闘いを描いているのだ。そこにはまるでポリティカルサスペンスのような緊張感が漂っている。果たして人類に未来はあるのか? その答えを示唆してくれるラストにメチャクチャ熱くなった。
20/4/2(木)