Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

アジア、中東、欧州の話題作・問題作を

夏目 深雪

著述・編集業

タロウのバカ

大森立嗣は『まほろ駅前』シリーズのようなまったりとした系譜と、処女作『ゲルマニウムの夜』から近作の『光』に連なる「ヤバい」系があるが、これは後者の中でも最もヤバい。 少年タロウは戸籍がなく、学校に通ったこともない。名前も仲間から「名前がない奴はタロウだ」とつけてもらった。育児放棄の問題を中心に据え、障害者も重要な役割で登場する本作は、だが周縁にいる「からこそ」の絆の強さや小さな幸せを謳ったりはしない。タロウ、仲間のエージとスギオが暴力の連鎖に巻き込まれ、自滅していく姿をエモーショナルに描く。YOSHI、菅田将暉などの快演もあり、おぞましいエピソードの連続なのに、青春映画の傑作とでも呼べるものになっている。

19/9/3(火)

アプリで読む