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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

アメリカン・ユートピア

デイヴィッド・バーンと言えば、肩パッド入りのビッグスーツ姿で体を揺らしながら踊り歌う『ストップ・メイキング・センス』が真っ先に頭に浮かぶ。そんな世代の私には、グレーヘアでさらにお洒落なおじさまと化したデイヴィッド・バーンの姿がサム・ニールに見えるな、と余計なことを考えたりしながら固唾を飲んでライブの行く末を見つめておりました。 無機質なステージを縦横無尽に動き回り、同じように動き回るミュージシャン、パフォーマー、全員とお揃いのスーツを着ている訳が読み取れたときにはすっかりショーの観客気分で映画館のシートでリズムを取っている始末。肌の色も出身も性別も持つ楽器も多種多様なミュージシャン、パフォーマーたちとデイヴィッド・バーンは対等であり、平等であるということ。ドラムセットではなく打楽器にすることでブラスバンドのようだし、ギターもキーボードもケーブルに繋がれていない状態なので自由に動き回れるメンバー全員。裸足であることも自由の象徴なのか? どこまでもシンプルに。 脳を柔らかくして全身で音楽と歌詞を表現する彼らのステージを撮影することになったのがスパイク・リー監督というのも納得。偏った政治に物申すパフォーマンスは、スパイク・リー監督のカメラアングルによって、観客とステージも地続きであることが見えてくるのです。皆が平等であり、皆が人生の主役であると感じさせてくれる最高にクレイジーでスマートなショーを是非体感あれ!

21/4/20(火)

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