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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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時代劇を中心に、過去の日本映画やテレビドラマについての、主に製作状況に関する研究を行う。スタッフや俳優への取材・聞き書きによる証言収集と検証をライフワークとする。個人的な趣味としては洋画が好き

春日 太一

映画史・時代劇研究家

ファーザー

このコーナーで作品紹介をする際、「できるだけ事前に情報を入れないで観た方が楽しめる」という言い回しをちょくちょく使う。 実は、これもそんな言い方をしたくなる作品。といっても、アンソニー・ホプキンスがアカデミー賞主演男優賞を受賞したことで、なかなかそうはいかなくなっているかもしれないが…。 とにかく、「えっ、どういうこと?」という驚き……というより戸惑わさせられる展開が連続する。最初は主人公目線で観ていてそうなのだが、それらの状況に対しての主人公のリアクションも何だかおかしい、と思えてくる。 それはどういうことなのか。最後に全て明らかになる。途中で気づく人も少なくないだろう。観るより先に展開や真相を知ってしまうと「なんだ、そんなことか……」となってしまうかもしれない。 が、本作で大事なのはそこではない。 細部まで伏線の張られたセットや小道具、ホプキンスを含めた俳優陣の巧み過ぎる演技。徹底して緻密に繊細に組み立てられた世界に触れているうちに、戸惑いながらもグイグイと作品世界に引きずり込まれてしまう。 事前に情報を入れずに一回、全てを分かった上でもう一回。是非そうやって二度観てほしい。

21/5/9(日)

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