アンドリュー・ヘイ監督は、登場人物の心情を行動や表情で浮き彫りにする脚本能力に長け、それをリリカルな画にし、観客へ問いかける形で映画を作る天才。しかも彼の生み出す世界に登場する役者の横顔に魅了される。『ウィークエンド』も『さざなみ』も主人公の表情に囚われて、興味をかき立てられ、気づくとエンドロール。そして今作も期待通りに、主人公の少年から目が離せず、前作以上の感情の波を浴びて、アンドリュー・ヘイ監督のセンスに囚われた。 とにかく若き主人公を演じたチャーリー・プラマーと相棒の馬ピートだけで絵になる。ひとりと一頭の孤独と愛が大自然を飲み込んでしまうほど美しい。しかも彼らを取り巻く大人たちにスティ...

19/4/9(火)