イギリスを代表する映画・演劇人の1人であり、『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』などの名作の名演で知られるレイフ・ファインズが1993年に刊行されたルドルフ・ヌレエフの評伝をもとに監督した『ホワイト・クロウ　伝説のダンサー』も実によく出来た実話ものだ。 バレエの歴史を変えたといわれる伝説的ダンサー、ヌレエフが自由と芸術を追い求めるためにくだした決断を丁寧にまとめあげたレイフ・ファインズの手腕もさることながら、ヌレエフを演じたカザン・タタール劇場のプリンシパルを務めるウクライナ出身のダンサー、オレグ・イヴェンコの映画初出演とは思えない芝居のうまさと存在感が映画をリアリティのあるものにしており、ロシアやパリのルドルフゆかりの場所でのロケーションも見応えがある。是非、映画館の大画面で観て欲しい。

19/5/10(金)