これは韓国映画なのですが、観始めた途端、「これはウチの会社だわ」と声を上げる日本の女性社員が大勢いることでしょう。 時は1995年の韓国。日本より苛酷な学歴社会の韓国は、どんなに優秀な女性社員であっても、お揃いの制服で大卒男子社員のための雑用係です。しかも妊娠したら会社を辞めなければなりません。 この状況は、私が就職した1970年代の日本とそっくりです。高卒あるいは短大卒の女性社員は男性社員より早く出勤し、机の上の掃除をし、男性社員のためにコーヒーを淹れるのが仕事でした。 そんな彼女たちですが、会社の工場が汚染水を川に流していることを偶然知ってしまいます。こんな状況も、公害問題が騒がれた1970年代の日本そっくりです。 正義感に駆られた彼女たちは真相究明に立ち上がろうとするのですが、状況は二転三転。汚染水の排出を命じ、証拠隠滅を図ったのは、果たして誰なのか。彼女たちは素人探偵となって調査を始めるのですが……。 舞台設定は1995年の韓国ですが、2020年代の日本の企業にも同様な悪弊が残っているのではないか。まさに必見の映画です。

21/6/14(月)