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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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音楽、映画、アート、ステージなど幅広いジャンルをプロデュースする

立川 直樹

1949年生まれ プロデューサー、ディレクター

アートのお値段

今回はドキュメンタリー映画の秀作をまとめて3本紹介できる。1億5千万の絵を落札の瞬間に細断したバンクシーや、史上最高額の510億円で落札されたダ・ヴィンチなど、日本でもアート・オークションの話題が新聞やテレビのニュースをにぎわすようになったが、今やアート作品は株や不動産のように投資の対象になり、世界のアート市場は完全にバブルのような情況になっている。 ずばり『アートのお値段』(原題はもっと強力で『THE PRICE OF EVERYTHING』)という映画は、そんなアート・シーンに入り込み、いつからアートは商品になってしまったのか? 誰が買っているのか? そもそもアートの値段ってなんだろう?という疑問を解き明かしてくれる。出てくるのアーティストにオークショニア、批評家にコレクター。その思惑や複雑なアート市場の現状は、拝金主義の現代社会の縮図のようでもあり、下手な劇映画の何倍もおもしろい。映画の中で流れるデヴィッド・ボウイの名曲『ファッション』がとても空虚に聞こえるところが映画の核心をついている。

19/8/13(火)

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