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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ
20/3/27(金)
ヒューマントラストシネマ有楽町
2012年にリオデジャネイロで開かれた「国連持続可能な開発会議」における演説で一躍注目を浴びたのが、当時のウルグアイ大統領だったホセ・ムヒカ。消費の拡大による経済発展は幸福をもたらすのかという彼の考えが世界の人々から支持されたのである。そんなムヒカに興味を抱いたエミール・クストリッツァ監督が撮ったドキュメンタリーだ。クストリッツァといえば、やはり音楽。冒頭からノー・スモーキング・オーケストラが登場して演奏し、タンゴが背景でつねに響きわたる。そんなクストリッツァ得意の映像と音楽の構成を通して、左翼ゲリラ時代とその後の獄中生活、大統領時代、公私にわたって同志である妻との私生活など、今や好々爺になったムヒカの波乱に富んだ人生が巧みに浮き彫りにされる。
20/3/26(木)