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やっぱりSF映画が好き!

渡辺 麻紀

映画ライター

ジェミニマン

さまざまなジャンルの作品を作り続けるアン・リーが最近ハマっているのはHFR(ハイフレームレート)のようだ。日本ではビデオスルーになった前作『ビリー・リンの永遠の一日』に続き『ジェミニマン』でも120フレームに挑戦。日本では60フレームでの上映だとはいえ、その片鱗は伝わってくる。まあ、正直言うと鮮明すぎてビデオ撮影のようでもあるのだが、アクションシーンになるとブレがない分、役者たちの動きをしっかり追うことができる。 が、それ以上に目を見張ったのは、デジタルで創造された若きウィル・スミスのほうだ。これがまるで違和感ナシで、ここまでホンモノと見まごうばかりのデジタルキャラクターを創ることができるのかとびっくりである。ストーリーは、90年代に始まった企画のせいか古めかしく、早い話、いろいろと問題も多い。しかし、それでもオススメしたかったのは、最後のクレジットに、あるパイオニアの名前がちゃんと刻まれていたからだ。ピーター・ジャクソンは気配りしなかったのに、アン・リーはちゃんと敬意を払っていた。この名前を見つけられただけで幸せな気分に浸れる映画ファンはたくさんいると思うのだ。

19/10/26(土)

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