数字という無機質でユニヴァーサルで雄弁な記号／言語を用い、それによって、生と死や、生態系という有機的なもの、その宿命であるとか、大きく自然とはなにかにまで言及できてしまう宮島達男の作品。現在、森美術館「STARS展」（2012/1/3まで）、千葉市美術館「宮島達男 クロニクル 1995−2020」（12/13まで）で展示中だが、もう一つ、SCAI THE BATHHOUSEで「Uncertain」という展覧会が始まった。これはなんと絵画展なのである。デジタルカウンターの数字１つは縦４本、横３本の７個のパーツでできているので７セグ（メント）と呼ばれるがそのそれぞれの形のカンヴァスが作られ、色が塗られている。色調は微妙に差があり、筆触が見えるものもあり、まぎれもなく絵画だ。十面体のサイコロが用意され、その出た目に従って、この絵画は組み立てられる。不確か、同様に確からしい…。超アナログな手間を経て、結果表される数が導くのは、やはり、生命への思い、そして易、東洋哲学、さらに量子力学まで。それは鑑賞者に委ねられる。

20/11/12(木)