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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

夢のアンデス

南米チリは国土の80%をアンデス山脈の大自然が占める。そんなアンデス山脈の豊かさをテーマに、パトリシオ・グスマン監督が描いたドキュメンタリーだ。監督の友人である彫刻家や画家、また小説家がアンデス山脈の豊かな自然を語る一方、そのアンデス山脈をないがしろにしたのが1973年9月11日に起こった軍事クーデターとピノチェト独裁政権だったことを描き出す。独裁政権下で友人の映像作家が記録した映像と彼の証言を使いながら、独裁政権が新自由主義経済を導入して実験場にしたと告発するが、前作『光のノスタルジア』や『真珠のボタン』と比べると、映像スタイルは同じでも独裁政権とアンデス山脈の関係は薄く、その批判も鋭さに欠けており、ノスタルジックな印象が濃いのは惜しまれる。

21/9/29(水)

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