「もしかして、シリーズが築き上げてきた世界観をブッ壊そうしてる？」観ている間、何度もそんな疑問と驚きが押し寄せてきた。本シリーズは“オモチャは子供と遊ぶのが幸せ”という価値観が大前提にあり、必然的に『3』の大団円も“与えられた役割を永遠に繰り返す”というものだった。 でも(多少ひねくれた物言いですが)、“永遠に続く楽園”って同時に“永遠に続く煉獄”ではないですか？　もちろんオモチャだからわれわれ人間とは決定的に“存在意義”が違っていて当然だ。しかし『4』は明確に、“オモチャに生命と人格を与えた以上、彼らにも彼らの人生と選択がある”と方向転換しているのだ。 ウッディもバズも、再登場したボー・ピープもこれまでのアイデンティティを疑い、自分自身と向き合う。そしてわれわれ観客も、表面的なドタバタだけでなく、内面的な深い冒険を共にすることになるのだ。「さあ、オモチャたちよ、どこまでもゆけ！」と声援を送らずにいられない、快作にして傑作だと思う。

19/7/20(土)