Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

生きのいい日本映画を中心に、大人向け外国映画も

平辻 哲也

1968年生まれ 映画ジャーナリスト

先生、私の隣に座っていただけませんか?

大手映画の作品はどれも原作もの、しかもコミック原作ばかり。映画オリジナルの面白い作品はないのか。そんなことは映画ファンだけではなく、映画作家たちも思っている。そんなクリエイターたちに手を差し伸べたのが「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM」だ。『嘘を愛する女』『哀愁しんでれら』などユニークな切り口の作品を送り出してきたが、2018年 準グランプリ受賞の本作も面白い。 主人公は結婚5年目の漫画家夫婦の佐和子と俊夫。佐和子は不倫をテーマにした新作をひそかに執筆。俊夫がこっそり見ると、夫が編集者と不倫するという身に覚えのある出来事がそのまま物語に。劇中のヒロインはやがて自動車教習所の教官に淡い恋心を抱くようになる……。果たして、これは現実か?創作か? 昨今、創作世界と現実のはざまがあいまいになるといった手法は少なくないが、夫婦というミニマムな世界で展開され、身近に感じられる。しかも、演者が達者。夫婦役には黒木華&柄本佑の演技派のふたり。不倫相手となる編集者にはいろんな作品に顔を出す売れっ子・奈緒、自動車教習所の教官役には伸び盛りの金子大地。ヒロインの言葉や表情は本心なのか。その駆け引きに魅せられる。 監督の堀江貴大は商業映画2作目で本領発揮だ。笑えて、男性陣にはちょっと怖い(笑)夫婦モノになった。夫婦での鑑賞はおすすめできません(笑)。

21/8/30(月)

アプリで読む