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杉本 穂高

映画ライター

存在のない子供たち

親は子を愛することが当たり前でない世界がある。その現実をまざまざと見せつける作品だ。子供が、自分を産んだ罪で両親を訴えるというアイデアが見事。子は親を選べないということをこれだけ強烈に突きつけるアイデアが他にあるだろうか。映画は、その前代未聞の裁判に至るまでの、少年が辿った艱難辛苦の生活を描く。出生IDのない少年にはできる仕事も住む場所もない。エチオピアン難民のシングルマザーの元に身を寄せるが、その生活も長くは続かない。 主演の少年は実際に難民で、10歳から働いていたそうだ。彼の力強い目に吸い込まれる。社会を鋭く観察し、絶望しながらも決して折れない強さを秘めた目だ。彼の表情から目が離せなかった。

19/7/15(月)

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