評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット
21/1/8(金)
シネマカリテ
今はCDジャケットと言うのだろうか。写真だったり文字デザインだったり、レコードジャケットは同じものがないほど多彩な世界から成り立っているが、かつて誰がどんなふうに作っているのだろうかと思ったことがある。そんなレコードジャケットをデザインする菅谷晋一の仕事に焦点を当てたドキュメンタリーだ。面白いのは、一枚のジャケットを描くために実際に立体模型を造形して、その写真をパソコンに取り込んでデザインしていることだ。他のデザイナーには異なる方法があると思うが、菅谷晋一が黙々と巨大な玩具に似た造形物を子供のように作る姿には感動する。音楽に見合ったデザインと一言で言うのは簡単だが、楽曲から構想してデザイナー独自の表現を生み出す仕事は何とも奥が深い。
21/1/6(水)