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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

トゥルーノース

ニュースでは語られない北朝鮮の実態を、当事者にインタビューするなど10年に及ぶ入念な取材を行った上で映画化。しかも、生存者がいるからこそドキュメンタリーは難しいと判断し、3Dアニメーションとして映像表現することで、幅広い世代に興味を持ってもらえる可能性も考えられる革新的な作品。 あまりに過酷で残酷な描写はアニメによってワンクッション置かれ、目を覆うことなくラストまでしっかり観ることができるし、清水ハン栄治監督自身がこの映画を作る意味でもある、「事実から目を背けないで」ということなのかもしれない。 北朝鮮収容所に入れられた人々は本当に罪人なのか? 明日は我が身と身震いしながら主人公の少年に自分を投影していく中で、子供たちの心の中にスルッと入り込む差別がどうやって生まれるのかも考えさせられてしまった。 強制収容所内では、家族が離れ離れにさせられ、子供たちが奴隷のように働かされる。人権とはなんなのか? この映画を観ること、信じること、伝えることで、人ひとりの命を救い、強制収容所という恐ろしい存在が消えるかもしれない。 映画を観ると、人の命を救うのは家族よりも他者が手を差し伸べることであり、人の行動を制圧する政治や武力は、人間を狂わせ、正しい判断をもできなくしてしまうと気づかされる。 映画作りとは、強い信念と伝えなければいけないメッセージが強いほど、制圧があろうとも心を揺さぶる作品として世界で上映されると確認した。

21/5/18(火)

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