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高崎 俊夫
1954年生まれ フリー編集者、映画評論家
真っ赤な星
18/12/1(土)
テアトル新宿
2017年、『溶ける』が、日本人最年少でカンヌ国際映画祭シネフォンダシオンにノミネートされた22歳の新鋭、井樫彩の長篇第一作である。家庭にも学校にも身の置きどころのない14歳の少女、陽(小松未来)と元看護士で売春をしている27歳の弥生(桜井ユキ)の幾重にも屈折した愛の行方を追う。 風俗の表層を軽やかに疾走するようなイマふうの青春映画とは対極にある、鬱屈した、行き場のない感情が画面のそこかしこで内出血している印象を受ける。かといってありきたりな三角関係のドラマとして着地することも...
18/11/29(木)