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文学、美術、音楽など、映画とさまざまな構成要素に注目

高崎 俊夫

1954年生まれ フリー編集者、映画評論家

蘇る神代辰巳

『死角関係 隣人夫婦男女四人のからみ合い』10/27〜11/1  シネマヴェーラ渋谷 特集「蘇る神代辰巳」(10/12〜11/1)で上映。 『映画監督 神代辰巳』(国書刊行会)の刊行を記念し、10月12日からシネマヴェーラ渋谷で「蘇る神代辰巳」特集が始まる。単に日活ロマンポルノの巨匠というだけではなく、1970年代の日本映画を代表する映画作家であった神代辰巳の魅力とは何なのか、が解き明かされるプログラムが目白押しである。とくに劇場用作品以外にテレビドラマの秀作が見られるのは絶好の機会だ。 たとえば、ショーケンが主演した『傷だらけの天使』からは「草原に黒い十字架を」「港町に男涙のブルース」という二本の演出作品がピックアップされているのもファンにはうれしい。「元祖オタク」のシナリオライター、山崎忠昭のホラー風味のオリジナル・シナリオを痛切な愛の物語へと転生させた「恐怖劇場アンバランス」の一篇『死骸を呼ぶ女』はスクリーンでこそ見てほしい。 「神代監督に出会って女優人生が変わった」とまで語る酒井和歌子が主演した神代演出の二時間ドラマは五本あるが、今回、上映される『死角関係 隣人夫婦男女四人のからみ合い』は、連続殺人の犯人として夫が逮捕され、激しく動揺する人妻・酒井和歌子の魂の遍歴を追う。突然、酒井和歌子が息子と部屋の中でプロレスを始めてしまうなど、意表を突く神代演出が随所にみられ、愛の不確かさをシンボライズする、かみ合わないダイアローグ、じわじわとヒロインを追いつめてゆくような長回しが冴えわたっている。かつて『めぐりあい』『俺たちの荒野』という60年代の東宝青春映画の傑作で可憐なヒロインを演じた酒井和歌子の大人のエロティシズムの魅力が全開している。

19/10/24(木)

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