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水先案内人のおすすめ

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一度逃したら再び観る機会がないかもしれない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

劇団地蔵中毒『ずんだ or not ずんだ』

コピー用紙のような紙に、一面マジックペンで書かれたらしきチラシ。丁寧ではあるかもしれないがどこか怖さを感じるその文字と、芝居の内容を表しているのかなんなのかわからない絵。ちいさな劇団でもそれなりにチラシが洗練されているいま、かえって目をひくこのチラシの主が地蔵中毒だ。 2014年旗揚げ以来、じわじわと公演の頻度をあげてきている彼ら。9月にして、なんと今年3回めの本公演(と呼んでいいのか、彼らは「無教訓意味なし演劇」と名乗っている)が上演される。 観ると、確かに最近ここまで意味のない演劇ってあまり見かけないな、と思う。ナンセンスともちょっと違う気がする。固有名詞で笑わせる感じとか、展開の飛び具合とか、あえてなるべく空疎にしているように感じる。このタイプの笑いを久しぶりに求めているということか、意外にも客席の年齢層は高めだ。一見無軌道に活動しているように見えて、動画がいくつもアップされていたり、公演のDVDをきちんとリリースしていたりと、ハマったらきちんと追えるしっかりした団体でもある。 私自身のことをいえば、この劇団にハマっているというほどではないのだけれど、一度行くと開演前に流れているオリジナル曲がしばらく抜けないんだよなあ。オリジナル曲をもっている劇団って、ちょっといいと思いませんか。

19/9/11(水)

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