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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物
春錵 かつら
映画ライタ―
囚われた国家
20/4/3(金)
イオンシネマ板橋
従って得る“安全”か、抗って得る“自由”か。 地球外生命体に侵略された2027年の地球で人類はGPSを埋め込まれ、「統治者」と呼ばれるエイリアンを頂点に、全てを管理されている。本作はそんな監視社会で自由を求めて戦うレジスタンスたちの姿を描く、ガッツリ骨太の近未来SFだ。 私たちはよく話の通じない、分かり合えない人のことを「ほかの星の人」と揶揄することがあるけれど、まさに「違う星の人」である敵に「どこぞの国の統治者か」と思い至る人も多いだろうアイロニー。加えて隠蔽やメディアによる情報操作、そこには圧倒的支配を前に従う者と抗う者が映し出されるが、それは今、この現実の世界にも横たわる数々の問いかけだ。 “しあわせの定義”、そして“正義の危うさ”がひとりの少年を通して垣間見える。
20/4/3(金)