評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
NO MUSEUM, NO LIFE.
鈴木 芳雄
編集者/美術ジャーナリスト
内藤礼 うつしあう創造
20/6/27(土)~20/8/23(日)
金沢21世紀美術館
小さな人形(ひとがた)が立っている。たくさんのところもあれば、探して見つかるものもある。その誰かのものと見られる手編みの帽子が置いてあったり。白い風船やビーズや透明な小さな球が宙に浮かぶように吊るされている。「うつしあう」展覧会。「うつし」とは「写し、映し、遷し」だそうだ。見たとき、すぐには見えなくて、目を凝らして見続けていると見えてくる。絵も。描いてあるのか描いていなのかわからない淡い色彩の絵。最初はただの紙だと思ったものが絵だった。空を見上げると、糸や細いリボンが風をはらんで舞っている。2014年、東京都庭園美術館リニューアル第一弾の展覧会でも小さな人形を見せた。元邸宅で見る人形はちょっと怖かった覚えがある。今回は数種類のホワイトキューブを持つ現代美術館。どちらもそれぞれにいい。
20/8/1(土)