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やっぱりSF映画が好き!

渡辺 麻紀

映画ライター

燃ゆる女の肖像

カンヌ映画祭でクィア・パルム賞と脚本賞を受賞したという本作。18世紀フランスの離島を舞台にしたふたりの女性の愛の記録だから“クィア”なのだろうが、そんなくくりにとどまらない、映画的魅力に満ち溢れた作品だった。 舞台も登場人物も最小限で、音楽すら(ほぼ)ない。にもかかわらず、その印象は豊潤でゴージャスでドラマチック。彼女たちの会話や仕草が大きな意味を含み、観客にさまざまな想いを抱かせるのだ。 その大きな役目を担っているのが音楽の使い方。誰にでもなじみのある某クラシックの名曲とオリジナルの曲だけなのだが、これが素晴らしい。この曲とそのシーンに本作の真意がすべて詰まっていると言ってもいい。さまざな想いが交差するラストに、図らずも目頭が熱くなってしまった。

20/12/4(金)

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