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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

ミッドサマー

太陽の下、花々に包まれ、牧歌的に、狂気は満ちる。 初の長編となる『ヘレディタリー/継承』で一躍ホラー映画界のメジャーに躍り出たアリ・アスター監督。長編2作目となる今回もかなりファニーでストレンジでクレイジー。つまり、平たく言えば「色々オカシイ」(注:ホメ言葉です)。 男友達4人、スウェーデンで休暇を過ごすという彼氏にくっついていった女子が、恐ろしい村の祝祭に強制参加させられることになるペイガン・ホラーの本作。ペイガンとは大雑把な説明で「異教徒」。もともとは「田舎の住人」という意味の言葉だ。この作品をもってして「アリ・アスター監督ってこんな作風」というものが確立された気がする。淡々と湧き起こる残虐性、しつこいほどの異教設定。滑稽で愚かなことが狂気の濃度を増す、あのイヤな感じ(注:ホメ言葉です)。何度も笑いを堪え、眉をひそめ、心はザリザリ不穏な音を立て続ける。 アリ・アスター監督は本作について失恋映画だとも触れている。まあ、他者から見れば失恋した人なんてきっと、大真面目で珍妙にダサくて正気の沙汰じゃない。確かに本作の本質そのものだ。それにしてもなんとも大仰でしたたかな乙女心ではないか。

20/2/20(木)

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