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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

ギャング・オブ・アメリカ

1948年5月、初代イスラエル首相ダヴィド・ベン=グリオンによるイスラエル建国宣言から“イスラエル”国家が誕生したことは知っていた。だがその建国資金の一部を、“伝説のギャング王マイヤー・ランスキー”が提供していたことを、本作で初めて知った。さらにユダヤ系ロシア人であるランスキーは、米国内で台頭してきたナチス・ヒトラー親衛隊に対抗するためにユダヤ人組織を作り、殺し屋集団“マーダー・インク”の設立にも関わった、と語る。 もちろん独白だから真偽のほどは不明だが、本作で語られる彼の人生は実にミステリアスで、歴史的にも興味深い。 今では年老いたランスキー(ハーヴェイ・カイテル)に、作家のデヴィッド・ストーン(サム・ワーシントン)がインタビューを行う。そこでは、1910年代から80年代までの時代を往還しながら、ひとりのマフィアの凄惨な人生と近現代史の闇、そして3億ドルともいわれる彼の巨額資産について語られる。それは、半世紀以上におよぶ、ギャングたちの壮絶な抗争の記録だ。 ランスキーは1983年1月、肺癌で死去。その巨額資産の残りは、いまだに行方不明だ。 本作の監督・脚本を担当したのはエタン・ロッカウェイ。彼の父親であるロバート・ロッカウェイは、実際に生前のランスキーにインタビューを行った作家で、本作ではデヴィッド・ストーンとしてランスキーと対峙している。

22/1/2(日)

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