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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

奇想天外映画祭 アンダーグラウンドコレクション 2019

『フリークス』(6/8〜6/21) K’s cinema 特集「奇想天外映画祭 Bizarre Film Festival Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション 2019」(6/8〜21)で上映。 『フリークス』は1932年にアメリカ(日本でも同年に『怪物團』のタイトル)で公開されたトッド・ブラウニング監督作品。サーカスを舞台に裏切りと報復の世界を描いたホラーだが、小人症、シャム双生児、半陰陽者など奇形者の描写があまりにショッキングだったために上映禁止された「呪われた映画」として知られている。 オルガ・バクラノヴァ演じる邪心のある空中ブランコ乗りのクレオパトラが、財産を目当てに小人のハンス (ハリー・アールズ)と結婚する。だが彼を毒殺して財産を奪おうとする陰謀が仲間たちに知られ、復讐される。ラストでは復讐されたクレオパトラの変わり果てた姿が映し出されるのだが、その映像があまりに衝撃的で失神者が続出(妊婦が流産したという真偽定かでない話もある)したと言われている。 1962年のヴェネチア国際映画祭での上映が再評価につながり、今回は1996年と2005年のリバイバルに続く映画祭での上映だが、公開から80数年して “醜い人間こそが怪物だ”という惹句が受け入れられていることを素直に喜びたい。 因みに淀川長治はこう語っている。「『フリークス』、これはもう、私の宝。面白くて、面白くてね、何回も観たよ」。

19/6/2(日)

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