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水先案内人のおすすめ

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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。

春日 太一

映画史・時代劇研究家

すべてが変わった日

ケビン・コスナーとダイアン・レイン。1980年代後半に映画誌「スクリーン」や「ロードショー」を購読されていた方なら、この両名が毎月の人気投票で男優・女優それぞれのランキング1位争いをしていたのを覚えているかもしれない。 そんなふたりが老夫婦役を演じる。もうそれだけ時間が経ったのだと、まず思い知らされる。 息子を落馬事故で失い、その嫁は孫を連れて再婚。老夫婦だけがポツンと残されたところから物語は始まる。邦題やポスターの雰囲気からして、この夫婦の喪失からの再生の話かと思ったが、そんな甘い映画ではなかった。 嫁一家がふたりに何も言わずに突然の引っ越しをしてしまう。心配になり行方を探ると、再婚先の実家がどうも胡散臭いということが判明するあたりから一気に不穏な雰囲気になっていく。 実は再婚先の一家は強権的な母親に支配されていて、嫁も孫もツラい目に逢っていたのだ。夫婦は奪回に動く。 全編を通して西部劇テイストだが、前半が雄大な大自然をバックにした癒しの雰囲気なのに対し、終盤から一気にマカロニウエスタン調になるのには驚いた。痛みの伝わるアクションの数々に引き込まれる。 そして、西部の平原とケビン・コスナー、ショットガンとケビン・コスナー……それぞれの組み合わせが今でも十分に画になっていてカッコいい。それを確認できただけでも最高に満足できた。

21/8/5(木)

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