5月13日に83歳の誕生日を迎える名優ハーヴェイ・カイテル（『タクシードライバー』から『グランドフィナーレ』まで出演作全てが魅力たっぷり。好きな俳優ベスト5に入る）が全米最大の犯罪組織、殺し屋集団《マーダー・インク》を率い、アメリカの暗黒街を支配した伝説のマフィア、マイヤー・ランスキーを演じた『ギャング・オブ・アメリカ』は全く新しい感覚のマフィア映画だ。サム・ワーシントン演じる作家のデヴィッド・ストーンに「俺がいきているうちは、誰にも読ませるな」という条件のもとに語られる人生は超壮絶であり、その生々しさに目を覆いたくなる場面もある。サスペンス感も漂って1910年代から1980年代まで、時代を行き来しながら、映画はノンストップで進行していく。監督はエタン・ロッカウェイ。近頃余りなかった最高に“男臭い”映画だ。

22/1/27(木)