サブカル野郎やカップルがなかなかにお楽しみできる映画の登場だ。 スウェーデンという北の国で、アメリカかぶれのスウェーデン野郎が異邦人のように現れて強盗し、人質にさせられた銀行員のスウェーデン美女が、極限状態の中で強盗に惹かれていくという物語。 そう聴くと、ステロタイプな「サスペンス」「心理誘導物」と思われるかもしれないけど、そうではない。実に心温まるストーリーなのだ。 映画の題材となったのは、1973年にスウェーデンのストックホルムで起こったノルマルム広場強盗事件。 何をやっても上手くいかない悪党のラース（イーサン・ホーク）は大のボブ・ディラン好き。ディランの歌、その対訳が、微妙極まりないサブカル悪党の心理を絶妙に描き出していく。 マニアックな選曲で、ディランの歌に潜んでいるアウトロー精神が躍動し、見る者は“真実の愛”について考えさせられる。 ラストには、なんともいえない不思議なカタルシスが待っている。愛について語り合いたい恋人同士なら、音楽好きかどうか？を問わず、楽しめる。 ディラン好きなサブカル野郎なら、なおさらだ！

20/11/5(木)