常設展示室へと続く回廊には、紀元前1万5000年頃のものとされるラスコーの洞窟壁画(フランス)にはじまる印刷以前の記録媒体から、ICカードなど印刷の技術を応用した現代のデジタル媒体に至るまで約100点のレプリカが展示されています
初期のアニメーション製造機である「フェナキストスコープ」もぜひのぞいてみてくださいね
常設展示室の入り口。お話を伺った学芸員の式洋子さんです
常設展の入り口前にはTOPPANさんの超微細印刷の技術を応用して制作され、ギネス世界記録にも認定された0.75ミリ角のマイクロブック『四季の草花』が展示されています。TOPPANさんが誇る驚く技術も見逃さずに
現存最古の印刷物といわれる《百万塔陀羅尼》 764(天平宝字8年)~770年(神護景雲4年)
葛飾北斎《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》の色摺りの順番がレプリカを使って丁寧に説明されています
左:『解体新書』1774年(安永3年)木版 右:『重訂解体新書』銅版全図 1826(文政9)年 エッチング
こちらは明治初期に描かれた版画作品《開化因循興廃鏡》。画面手前には、和ろうそくに対してランプで戦う人々の姿が。急激に西洋化してきた世の中をからかった風刺画で、新旧をかけたさまざまな戦いが画面いっぱいに広がるユニークな作品です
明治期の活字制作の広がりは、パネルでも詳しく紹介されています
大正時代の「大阪毎日新聞」日曜版付録のグラビア。今では雑誌などの写真ページを指す「グラビア」という言葉は、写真の再現に優れた印刷技法「グラビア印刷」が元になっています。大正時代にアメリカから渡ってきた「グラビア印刷」は、肌を綺麗に見せることに優れていました
大正11年に創刊された『サンデー毎日』など、この頃たくさん創刊された雑誌の初期の貴重な冊子もたくさん展示されていました
企画展『黒の芸術 グーテンベルクとドイツ出版印刷文化』展示室入口
『42 行聖書(旧約聖書零葉)』 グーテンベルク印行 1455年頃 印刷博物館蔵
ヴィッテンベルク版 『ルタードイツ語著作全集』(全12巻) 1548~1559 年 印刷博物館蔵
エアハルト・ラートドルト「活字見本帳」(複製) 1486年 (原資料はバイエルン州立図書館蔵 Bayerische Staatsbibliothek München,Einbl.VⅢ,6)
メルヒオール・プフィンツィング『トイアーダンク』(零葉)1517年 町田市立国際版画美術館蔵 フラクトゥールと呼ばれる書体の初期の事例。ヴェネディクト会修道士のカリグラファーがデザインし、マクシミリアン1世の祈祷書の印刷に使用されました
こちらは20世紀初頭のドイツで活躍した書体デザイナーのルドルフ・コッホの「ノイラント」という書体の活字見本帳(クリングシュポール博物館蔵 Klingspor Museum, Offenbach am Main)。コッホがデザインした書体のなかでも、世界的に人気を博したものです。彼は多くのブラックレターを生み出しました
活版印刷体験など、さまざまなワークショップも行われている印刷工房
和文、欧文、さまざまな書体、サイズの活字がぎっしりとおさめられています