M!LK、1年3カ月ぶりの有観客ライブで見せた船出「ここが5人でのスタート」
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『M!LK SPRING TOUR 2021“energy”』 撮影:笹森健一
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すべて見るボーカルダンスユニットM!LKがライブツアー『M!LK SPRING TOUR 2021“energy”』をスタートさせた。その初日となるカルッツかわさきで行われた公演の模様をレポートする。
M!LKのワンマンライブは、2020年1月に行われて以来1年3カ月ぶり、現在の5人態勢となってからは初めてとなる。昨年の4度の配信ライブを経て、大きく成長した姿を見せる公演となった。
メンバーが待ちわびていたライブ。そして、み!るきーず(M!LKファンの総称)も待ちわびていたツアー初日。開演前から、会場にはソワソワと期待、ツアー初日ならではの空気が満ちていた。
定刻。暗転すると、客席には5色のペンライトが揺れる。シンプルなステージにセットされた5つのLEDパネルにモノクロの花びら、砂時計、心電図が次々と映し出され、心音が会場に響き渡る。速くなっていく心音、LEDパネルにまるで閉じ込められているかのように5人の姿が。そして、一瞬の暗転のあと、パネルの前にメンバーが現れる。堪えきれないファンの声が客席から漏れた。
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みんな会いたかったぞー!
オープニングで披露されたのは『疾走ペンデュラム』。冒頭からメンバーのテンションが上がっているのがその表情からわかる。1曲目を終えると佐野勇斗が「みんな会いたかったぞー!」と声を張り上げ、『テルネロファイター』でメドレーがスタート。『SAY YEAH』ではメンバーそれぞれの言葉でみ!るきーずにご挨拶。
山中柔太郎は「会いたかったぞ! 盛り上がる準備できてる?」と笑顔を見せ、塩崎大智は「会いたかったかー!? 俺はみんなに会いたかったよ!」と気持ちを爆発させれば、曽野舜太は「みんな久しぶりやなあ~!盛り上がれるん?」とほんわかと、吉田仁人「盛り上がっていけるのか!」とチェストコールで力強く煽る。佐野が「東京初日盛り上がっていこうぜー!」とシャウトし、会場の熱を上げていく。そんな佐野が『Goin’Down』をしっとりと歌い始めると、客席もペンライトを振って応える。
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ジェットコースターのようなオープニングのあと、「ペンライト久しぶりに見た!」と興奮しつつも、改めて吉田が「み!るきーずのみんな、久しぶり!このような状況の中、足を運んでくれましてありがとうございます。来ていただいたからには、全力でパフォーマンスをして楽しんでもらえたらと思います」と挨拶。
そして、「楽しんでもらえるところはまだまだありますから。このままいきましょう! 新曲です」と塩崎が紹介したのは11thシングル『energy』に収録されている『行けたら行くよ』。ポップな歌詞をディスコナンバーに乗せて歌う5人をミラーボールの光が艶めかせる。続いては曽野と塩崎がメインボーカルの『SDR』。ロックなメロディに2人のシャウトがパワフルに響き、キレの良いダンスで曲の力強さを表現していく。
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幕間となる映像ではオープニングでも登場した砂時計や、しおれていく花。そして雨。少しばかり心を寂しくさせるような雨音が響く中、メンバーが白の衣装で登場すると、雨の映像をバックにスタートしたのは『May』。先ほどまでのパワフルなステージとは打って変わって、しなやかな、それでいてどこか色気を漂わせる。さらにその雰囲気を膨らませるかのように『君の知らない世界へ』では椅子を使ってのパフォーマンス。まるでキスをするような振り付けには客席からは小さく息を吞むような様子も見られ、大人のムードで酔わせた。更にさなりが手がけた『energy』ではクールなサウンドを響かせ、静かな空気をまとわせながらも力あるダンスでこれまでとは異なる魅力を垣間見せた。
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声が出せない中でも気持ちを伝えたい
MCに入ると、佐野が「めっちゃしんどいじゃん、これ!」「M!LKすげぇわ!」と自画自賛したが、客席も同じ気持ちだったはず。パフォーマンスで圧倒したメンバーだったが、やはり気になるのが客席とのコミュニケーション。声が出せない中でどうやって気持ちをステージに伝えてもらうか、と苦心する。ペンライトを振るか拍手、どちらがいいか曽野や佐野、塩崎が「みんな大好きだよ」という言葉を例に反応を確かめ、「基本的に曲終わりは拍手で!」と佐野がファンに向かって呼びかけた。
にぎやかなMCから一転、披露された曲は初披露の『何処へ』。山中の甘く繊細な声、佐野の力強い声が際立ち、吉田と塩崎、吉田と曽野のハーモニーが会場を包みこむように響く。『君がくれた宝物ならココにある』では歌声のみで思いを届けた。それぞれを照らすピンスポ、LEDパネルに映し出された表情に、歌声以上のものが届けられた気がした。
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再び幕間ではモノクロだった街や風景が色づいていく様子が。不安げだったメンバーの表情も笑顔に変わる。
不安でふさぎこむ日々が続く中、少しずつでも彩りが戻り、そして、画面越しにしか会えなかったファンと、画面から飛び出しようやく同じ会場の空気が吸えるようになった――という喜びの気持ちが込められているようにも思える。スクリーンに咲き誇る花とメンバーの笑顔。
そしてピンクを基調した衣装で登場し初披露したのは配信されたばかりの新曲『恋がはじまる』。照明も柔らかなピンクになり、キュートなフリで会場を華やかに彩っていく。続いて『My Treasure』では青空の映像をバックにさわやかに。メンバー同士が肩を組んで微笑み合ったりじゃれ合ったり、さらに曽野は「みんな大好きだよ」と曲中に笑顔で伝えみ!るきーずをニッコリさせた。
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「電力を溜める」対決!優勝は…
そのあとのMCでは、塩崎が演出を、山中が衣装を担当していることが明らかに。山中は特にお気に入りの衣装を聞かれると曽野の衣装を挙げ、塩崎も「MC中のLEDパネルの映像にもこだわっている」と演出について語り、ぜひ今後の公演でもチェックしたいところだ。
「(ライブの制作に関わることで)僕たちもやっていて責任感というか、より愛着が湧くようになった」と吉田。そんなライブも残すところあと数曲。山中が「残り数曲となりましたが、悔いないように楽しみましょう」という言葉を噛み、「ここすごく練習したのに!」と照れくさそうにいい、『桜咲く頃には』『Feel Alive』をメドレーで届け、『ERA』、『Now Story』とポジティブな曲でライブ本編を締めくくった。
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しかし、これで終わる彼らではない。
アンコールでは『めちゃモル』がスタート……と思いきや、パネルには「なわとび」「風船」「バランスゲーム」などと書かれたルーレットが。どうやら書かれた内容で対決をするというものらしい。この日は「電力を溜める」対決。自転車を必死に漕ぐ山中、腕立てをする塩崎、ポンプを押す曽野、牛の人形を振る無心に振る吉田、エアロバイクを漕ぐ佐野……。曽野が一番電力を溜めているのは明らかだったが、なぜか優勝は吉田。動揺した吉田はそのあとのフリを間違え、塩崎は自転車を乗り回し、山中が地味に転ぶ……というまさにカオス状態。でもこんな笑いいっぱいのステージがM!LKらしいのかもしれない。
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ここが5人のスタート。改めての意思表明
そして、改めてお決まりの自己紹介をしたあとは、塩崎のドラマ出演、佐野の映画、ドラマ出演の報告が。更には7月には全国5都市のZeppツアーが行われることを発表。会場のみ!るきーずを喜ばせた。
ライブグッズ紹介では、「プライベートでもメンバーが一番買いたいと言っていた」というマスクストラップが客席からは不人気ということで驚愕の表情を見せ、グッズのプロデュースをした山中が崩れ落ちるなど、どんなシーンでもタダでは終わらせないところが彼らの魅力のひとつ。
さて、ライブも本当に大詰め。『Brave Saga』ではステージの端から端まで走り、遠くのファンにもご挨拶、『DEAR LIFE』ではライブが終わることを惜しむかのように思いっきり飛び跳ね、メンバー同士で笑いあう姿が印象的だった。それでもダンスのキレが衰えることなく、文字通りで全力で最後までみ!るきーずを魅了し続けた。
最後には、メンバーそれぞれからメッセージが届けられた。山中は「こんな中、お集りいただきまして、本当にありがとう、感謝でございます。開催できたことを本当に嬉しく思いますし、大成功に終わって……みんな楽しめましたか?」と客席に問いかけ、大きな拍手に顔をほころばせた。
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「僕の長い受験生活も終わって、みんなとやっと会えることができました。本当にここまできてくださってありがとうございました」という曽野には、メンバーからも「お疲れ舜ちゃん!」という声がかかる。
そしてこの日、一番の運動量だったであろう佐野は「みなさん、今日はいかがだったでしょうか。M!LKの5人として初のツアーということで僕らもすごく楽しみにしていましたし、無事開催できて、無事みなさんとお会いできて本当に嬉しく思います。まだまだツアー続きますし、ケガのないように、そして体調にも気をつけてがんばっていきますのでよろしくお願いします!」と力を込めて言い、塩崎は「みなさんいい思い出作れましたか?僕たちも1年ぶりにみなさんにお会いすることができて本当に、本当に、楽しみにしていました。ここからどんどん続いていくので、今日の思い出を大切にまた会えるのを楽しみにしています」と次の再会を約束した。そして吉田は「この5人で初めてのツアーでみなさんを目の前にしてパフォーマンスをするっていうことが、改めて5人のスタートになるというか、やっとみなさんが僕たちのことを応援してくれてるんだな、と実感できた気がしました」と胸の内を明かし、「これからの6公演、そしてZeppツアーもありますので進化し続けるM!LKをこれからもよろしくお願いします」と力を込めて伝えた。
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深々とお辞儀をしたあと、会場全てのひとりひとりに手を振るように丁寧にあいさつをしてから帰っていくメンバー。
明るく、前向きに、まさに“energy”をプレゼントしてくれるようだった今回の公演。ツアーで更に成長し、Zeppではどのようにパワーアップした姿を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
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撮影/笹森健一、取材・文/ふくだりょうこ
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