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明石家さんま、大竹しのぶの声優出演に「感謝」 映画『漁港の肉子ちゃん』を企画・プロデュース

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渡辺歩監督、大竹しのぶ、明石家さんま

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明石家さんまが、直木賞作家・西加奈子の小説を元に企画・プロデュースする劇場アニメ『漁港の肉子ちゃん』。漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコの秘密が紡ぐ感動のハートフルコメディが、日本屈指のアニメーションスタジオSTUDIO4℃によって映像化された。

主人公の肉子ちゃんを演じるのは、大竹しのぶ。『ドラえもん のび太の恐竜2006』『海獣の子供』の渡辺歩が監督を務めた。3名が集う貴重なインタビューが実現し、作品にこめた思いを語った。

明石家さんま(企画・プロデュース)「肉子ちゃんは大竹さんで正解、感謝しています」

――ご本人が惚れ込んだ原作との出合いから5年。ついに『漁港の肉子ちゃん』が劇場公開される今のお気持ちを教えてください。

まず、想像以上の作品に仕上がっているので、プロデューサーとして、僕はかなり満足しています、本当に。完成した喜びも大きいですし。ただねぇ、アニメは本当に大変!(笑)。「簡単に手を出すなよ」って言いたいですね。当たり前ですけど、バラエティと違って、とにかく時間がかかるので。「二度とやりたくない」と思うと同時に、アニメ制作のことをちょっとでも知れたのが新しい発見で。また、機会があれば、今度はもっと早い段階から踏み込んで、現場で自分の要望なんかを伝えられると面白いかもしれないなと。とにかく、いい経験をさせてもらいました! 作品はいつまでも残るもの。吉本興業も頑張ってくれたし(笑)、1人でも多くの人に見てもらえれば、それが一番うれしいですよ。

――大竹しのぶさんを肉子ちゃん役で推薦したのは、共同プロデューサーの皆さんだとうかがいました。

そうなんですよ、僕からは言っていない(笑)。「仕事としてお願いするからには、正式なルートで依頼して」と伝えたんです。渡辺監督も肉子ちゃんと大竹さんがパチンときたとおっしゃっていて、だから、肉子ちゃん役が最初に決まったそうです。大竹さんは、今までいろいろアニメ(の声優)もやっていらっしゃるから、実力はね。本人は「大阪弁が心配なの…」と言っていましたけど、「心配なの…」って言うときは大竹さん、自信があるんですよ(笑)。それもよく分かっていましたから。実際に大竹さんが演じる声を聞いて、これが正解だなって。大竹さんじゃなければ、肉子ちゃんは演じられない。スタッフ全員が推したのも納得しましたし、今は感謝しています。

大竹しのぶ(肉子ちゃん役声優)「アフレコで、さんまさんが突然アドリブを(笑)」

『漁港の肉子ちゃん』

――“プロデューサー”としてのさんまさんは、現場ではどのような存在でしたか?

アフレコで、さんまさんがその場でいろんなことを思いついて、突然アドリブを(笑)言ってみてとリクエストされることが多かったです。脚本にはないけれど、「ここでヒ―ッて叫んで」とか。渡辺監督は大変だったと思うんですけど、私自身は楽しかった。プロデューサーとして、渡辺監督と細かいやり取りをしているように見えましたし、お互いに尊敬しあっている感じが伝わって、現場の雰囲気も良かったですよ。さんまさんがもともと、こういう夢がある、ほっこりする話が好きな人だということは知っていましたし、本当にプロデューサーの望む、ご覧になった皆さんが優しい気持ちになれる映画なので、ぜひご家族で見てほしいなと思います。

――今おっしゃった“家族”こそが、作品のテーマといえますね。

肉子ちゃんの「出会った人を必死に愛する」という気持ちが、今の時代はどんどん希薄になっている気がします。実の親子でさえ、言葉や愛情を交わすことが難しい…、それに今はこういう時期ですし。だから、やっぱりご家族でご覧になってほしいです。肉子ちゃんは明るくて、バイタリティがあって、能天気で、ちょっと抜けているところもある、すごくチャーミングな人。食べっぷりも気持ちいいし、大好きなキャラクターです。「普通が一番ええのやで」という口癖には、私自身も癒されました。映画館の今の状況を考えると、心配はありますけど、渡辺監督を中心に、どれだけの人たちが携わったかを考えると、本当にたくさんの人に見てほしいです。(隣に座るさんまに向かって、こそっと)ヒットしたほうがいいんだもんね?

渡辺歩(監督)「チャンスをくださったさんまさんの期待に応えたかった」

『漁港の肉子ちゃん』

――渡辺監督は、さんまさんの大ファンだそうですね。

はい。ですから、今回、さんまさんがアニメーション映画にチャンスをくださったことが何よりもうれしかったですね。期待に応えたかったですし、大ファンなので、さんまさんを喜ばせることができれば、それは純粋にすごいこと。恩返しになりますからね。さんまさんとは、シナリオ作りから、台本読み、コンテ確認など、さまざまな打ち合わせを重ねました。演者を活かすことを第一に考え、どんどん新しいアイデアや気づきをくださるので、毎回とても有意義でした。常に頭の中のコンピュータがフル稼働していて、貪欲に面白いものを追求する熱量がすばらしい。特に「作り手が面白いと思うことが大事だから」という言葉が印象に残っています。

――第45回アヌシー国際アニメーション映画祭のオフィシャルセレクションから正式招待を受け、特別上映されることになりました。アヌシーといえば、世界のアニメーション作品の最高峰とされる国際映画祭ですね。

これも本当にうれしいです。コロナの影響もあり、例年に比べると開催規模は小さくなると思いますが、各国のバイヤーさんの目に触れる機会になりますから。「普通が一番ええのやで」という肉子ちゃんの言葉のように、普通の良さを感じてもらえる普通の映画です。日常を描くことに徹した挑戦的な内容なので、アヌシーの招待作品としては、異質といえば異質。実は「まさか」という思いもあったんですが、これもさんまさんにいただいたチャンス。現地の反応が楽しみです。こういう状況ですが、やはり完成した作品を世の中に伝えたいし、いろんなことを感じてもらいたい。それこそが、さんまさんや大竹さん、携わってくれた多くの皆さんをねぎらうことになりますから。

『漁港の肉子ちゃん』
6月11日(金) 公開

取材・文:内田涼

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