幻の日本語吹替を初収録した豪華ブルーレイが発売!
森崎ウィンがその魅力を語る!
『ウエストサイド物語』特集
『ウエスト・サイド物語』が
時代を超えて愛される理由
森崎ウィンが語る
『ウエスト・サイド物語』の魅力
『トゥナイト』『マンボ』『クール』など多くの名曲を誇るミュージカル映画の金字塔として知られる『ウエスト・サイド物語』。その製作60周年を記念して、1979年にTBSで放送された大竹しのぶ×国広富之×沢田研二による日本語吹替え版──これまでソフト収録されることのなかった激レアバージョンを収録した豪華ブルーレイが発売に! 折しも、あのスティーヴン・スピルバーグによるリメイク版が2022年2月に公開を控えている今、ぜひあらためてこの名作を観直してみては!? そして本特集では、自身も舞台で『ウエスト・サイド・ストーリー』に主演し、スピルバーグ監督ともゆかりのある森崎ウィンさんに本作の魅力を語ってもらいました!
『ウエスト・サイド物語』が時代を超えて愛される理由とは?
名作中の名作として知られる『ウエスト・サイド物語』。その大元となったのは、1957年9月26日にNYブロードウェイ、ウィンター・ガーデン・シアターで初演スタートしたミュージカル劇だ。『王様と私』などで知られるジェローム・ロビンスによる振りつけ、大指揮者として名を馳せたレナード・バーンスタイン作曲による楽曲群、アメリカのミュージカル界で最高の作詞家スティーヴン・ソンドハイムによる歌詞などなど。当時ノリにのったブロードウェイの若手クリエイターのドリームチームによる傑作として、今もなお愛され続けている。
それを、後に『サウンド・オブ・ミュージック』でアカデミー賞監督賞を受賞したロバート・ワイズと、舞台版の振りつけを担当したロビンスが共同監督して映画化したのが、1957年の『ウエスト・サイド物語』だ。映画化されたことで、舞台ファンだけでなく、世界中の人々がこの作品を知ることとなり、不朽の名作として知られるようになった。
ではそもそも、なぜ名作と言われるのか。それは3つの理由がある。まずはストーリー。誰もが知るシェイクスピアの名作悲劇『ロミオとジュリエット』を基に、舞台を50年代NYウエスト・サイドに移して、当時の社会背景を活かした設定にチェンジ。犬猿の仲なふたつの不良グループの間で、結ばれてはならないトニーとマリアが恋に落ち……という、全世界の老若男女が共感できる分かりやすい物語だ。
そしてふたつめは音楽。作曲のバーンスタインは、クラシックとジャズを融合させた作風で知られる。その代表作ともいえるのが本作の音楽だった。ロック&ポップミュージック全盛前夜の時代、クラシック音楽の世界に多様な表現を持ち込んだ先駆者として知られる彼のメロディに、ソンドハイムの叙情的な詞が乗った瞬間、ジャンルを超えた名曲に。劇中歌全てが、今でもさまざまなシーンで使われ続け、スタンダードナンバーとなっている。
そして3つめが多様性だ。人種間、または格差社会における差別と偏見にノーをつきつける物語と登場人物、あらゆるジャンルをまたいだ音楽、その全てが“多様な人が多様に生きるべき自由の国アメリカ”を表現している作品。特に、50年代も今も根っこは変わらない差別と偏見が原因で起きる悲劇は、今を生きる人にも訴えかける。
大竹しのぶ×国広富之×沢田研二
幻の日本語吹替版がついにソフト化!
DVDやブルーレイ、そして配信でも見ることができる1957年版『ウエスト・サイド物語』。これまで何度もソフト化され、その度にドキュメンタリーなどの秘蔵映像や資料が収録されてきた。だが、製作60周年を記念してこのほど発売される【吹替の力】版ブルーレイは、これまで幻とされてきた日本語吹き替えバージョンも収録され、話題を呼んでいる。
テレビ放映時用に製作された日本語吹き替え版はいくつかあるのだが、そのうちふたつを収録。ひとつは1990年のTBS『水曜ロードショー』で使われた137分バージョンを、2014年にWOWOWでノーカット放映するために追加録音されたバージョン。もうひとつが幻とされる、1979年にTBS新春特番でノーカット放映されたバージョン。前者はマリア役に堀江美都子、トニー役に大塚芳忠、ベルナルド役に山寺宏一などがキャスティングされた。後者はこれまでソフト収録されなかった一度きりのスター揃い。マリア役に大竹しのぶ、トニー役に国広富之、ベルナルド役に沢田研二、アニタ役に安奈淳! 1979年当時、人気絶頂にあった彼らの声の芝居を聞くことができるのだ。激レア過ぎる若かりし頃の彼らのコラボを楽しんでほしい。
“最新版”が2022年2月に満を持して劇場公開!
あのスピルバーグが初のミュージカルに挑戦!
そんなミュージカル映画の名作が『ウエスト・サイド・ストーリー』として、2022年2月、ついに日本公開となる。11月26日に91歳で他界したソンドハイムは、亡くなる前に本作をいちはやく鑑賞し絶賛していることからも、このスティーヴン・スピルバーグ監督バージョンも傑作になると前評判が高い。
舞台設定、楽曲群はそのままに、1957年の映画版よりもオリジナルの舞台版に近いものを目指したという本作。トニー役には『ベイビー・ドライバー』などで知られるアンセル・エルゴート、マリア役にはオーディションで勝ち抜いた新星レイチェル・ゼグラーが挑み、撮影中の彼らのSNSからファンは熱狂。また、1957年版でアニタ役を演じアカデミー賞助演女優賞を獲得したリタ・モレノが、ドック役に相当するヴァレンティナ役と製作総指揮を担当したことも大きな話題となった。
世界中でいまだオリジナル舞台版が上演され続けている中での2度目の映画化だけに、スピルバーグが監督でなければ誰も納得することはなかったのでは? とはいえ、スピルバーグにとって、ミュージカル映画は初の挑戦だ。いったいどうなるのか、ワクワクがとまらない。
『ウエスト・サイド物語』が
時代を超えて愛される理由
森崎ウィンが語る
『ウエスト・サイド物語』の魅力
『【初回限定生産】ウエスト・サイド物語 日本語吹替音声追加収録版ブルーレイ』
12月3日(金)発売
6980円(税込)
【初回限定生産仕様】
美麗アウターケース仕様、復刻日本版ミニポスター(2種)付き
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト https://wwws.warnerbros.co.jp/fukikaenochikara/list/westsidestory.php
©1961 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.All Rights Reserved.
Text:よしひろまさみち