幻の日本語吹替を初収録した豪華ブルーレイが発売!
森崎ウィンがその魅力を語る!
『ウエストサイド物語』特集
『ウエスト・サイド物語』が
時代を超えて愛される理由
森崎ウィンが語る
『ウエスト・サイド物語』の魅力
『トゥナイト』『マンボ』『クール』など多くの名曲を誇るミュージカル映画の金字塔として知られる『ウエスト・サイド物語』。その製作60周年を記念して、1979年にTBSで放送された大竹しのぶ×国広富之×沢田研二による日本語吹替え版──これまでソフト収録されることのなかった激レアバージョンを収録した豪華ブルーレイが発売に! 折しも、あのスティーヴン・スピルバーグによるリメイク版が2022年2月に公開を控えている今、ぜひあらためてこの名作を観直してみては!? そして本特集では、自身も舞台で『ウエスト・サイド・ストーリー』に主演し、スピルバーグ監督ともゆかりのある森崎ウィンさんに本作の魅力を語ってもらいました!
「ポップでありながらディープなメッセージも込められている」
森崎ウィンが語る『ウエスト・サイド物語』の魅力
ミュージカル映画の最高峰『ウエスト・サイド物語』が製作60周年を迎える。それを記念し、『【初回限定生産】ウエスト・サイド物語 日本語吹替音声追加収録版ブルーレイ』が12月3日(金)より発売される。
収録されている日本語吹替音声は、1979年にTBSで放送された「マリア:大竹しのぶ×トニー:国広富之×ベルナルド:沢田研二」という幻の吹替版。さらに新TBS版のカットシーンを追加収録したWOWOWノーカット版「マリア:堀江美都子×トニー:大塚芳忠×ベルナルド:山寺宏一」もソフト初収録。まさに『ウエスト・サイド物語』を愛するすべての国内ファンが楽しめる名盤となっている。
『ウエスト・サイド物語』といえば、2022年2月にスティーヴン・スピルバーグ監督による新生『ウエスト・サイド・ストーリー』の公開も控えている。なぜ60年の時を経てもなお、世界中の人々の心をとらえて離さないのか。その魅力を、2020年に上演されたブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』でトニー役を務めた森崎ウィンに語ってもらった。
この頃の大竹しのぶさんに会ってみたくなった
── 『ウエスト・サイド物語』をご覧になっての感想を聞かせてください。
森崎 以前、自分が『ウエスト・サイド・ストーリー』を演じる前にも拝見したのですが、あらためて観てもまったく昔の感じがしないんですよ。もちろんファッションなど時代を感じさせるところはあるけれど、逆にそれも1周回って新鮮というか、最先端のようにすら感じられる。リフが着ているあの黄色いジャケット(下写真)とか欲しいって思いました(笑)。
トニーとマリアが体育館で出会うシーンも、ふたり以外みんなモザイクがかかったみたいにぼやけるじゃないですか。ああいう表現も今見ると大胆で面白いなと。
いい意味でレトロな香りはありつつ、でも古びたところがない。新作を観るような気持ちで楽しませてもらいました。
── ウィンさんはミュージカルでトニーを演じました。映画キャストのみなさんの演技はいかがでしたか。
森崎 みなさんの偉大さを感じました。やっぱり多くの人が持っている『ウエスト・サイド物語』のイメージって、このロバート・ワイズ監督とジェローム・ロビンズ監督が作った『ウエスト・サイド物語』だと思うんですね。トニーにしてもリチャード・ベイマーの印象が強いと思うし。あらためて『ウエスト・サイド物語』の世界を作ったキャストのみなさんにリスペクトを感じましたし、僕のトニーとリチャード・ベイマーのトニーではやっぱり役の捉え方が違っていて。そこは時代の違いなのかなとちょっと面白くも感じました。
── 1979年新年に放送された旧TBS版では日本語吹替を大竹しのぶさんらが担当しています。
森崎 やっぱり大竹しのぶさんはすごいですよ。以前、映画『キャッツ』の吹替でご一緒したことがあるのですが、僕たちからすると大竹しのぶさんは大女優だし、すごい貫禄と存在感のある方。でもマリアを演じている大竹しのぶさんは本当に愛らしくて。でもその中にマリアらしい芯の強さというか、肝の据わったところがちゃんと伝わってくる。こうして、お若い頃の大竹しのぶさんの声を聴けること自体が僕からするとラッキーだし、この頃の大竹しのぶさんにちょっと会ってみたいなという気持ちになりました。
時代を超えて受け継がれている理由が、曲を聴くと分かる
── そして、『ウエスト・サイド物語』といえばやっぱり音楽です。
森崎 もう音楽が本当にいい! 作曲はレナード・バーンスタイン。すごくキャッチーなんですけど、歌う側からすると難しい曲ばかりなんです。でも、耳にすると一瞬で『ウエスト・サイド物語』の世界に入っていける。時代を超えて受け継がれている理由が、曲を聴くと分かると思います。
── ぜひその魅力を教えてください。
森崎 純粋に新しいんですよね。クラシカルなんですけど、今のポップスに使われていてもおかしくないようなメロディがたくさんあって、何回聴いても面白い。僕なんかが解説するのもおこがましいですけど、映画音楽としても素晴らしくて。それは、ちゃんとこの曲が『ウエスト・サイド物語』のストーリーを表現しているからなんですよね。
── どういうことでしょうか。
森崎 僕が『ウエスト・サイド物語』の中でいちばん好きな曲が『One Hand, One Heart』なんですけど、終盤にかけてトニーとマリアのハモリがあって。結婚式の真似をして、すごく幸せいっぱいなシーンなはずなのに、トニーのハモリラインはちょっと不吉な感じがするんです。そこに、これからふたりを待ち構えている未来がイメージされるというか。結ばれないふたりの愛を音楽全体で予感させているところがすごいな、と思います。
── あらためて『ウエスト・サイド物語』のストーリーそのものの面白さはどこだと思いますか。
森崎 人種差別だったり、いろんな社会の歪みが描かれていて。その中で行き場のないフラストレーションを抱える若者たちの衝動がリアルに描写されている。だから、時代背景や社会環境が変わっても、若い世代が観たときに何かしら感じるものがあるんだと思います。
僕は31歳で、もう若者でもない、かといって完全な大人でもない、いちばん中途半端な世代なんですけど、だからこそどちらの気持ちも分かるというか。ジェッツやシャークスのメンバーたちが抱える苛立ちも分かる反面、大人目線で見ているところもあって。もっと僕たち大人がちゃんと若者たちがまっすぐ前に向かって進んでいけるように道筋をつけてあげなきゃいけないんだ、という気持ちにもさせられる。
非常にポップでありながら、ディープなメッセージも込められているところが、この作品の魅力だと思います。
── 2022年には、スピルバーグ監督の手によって再び実写映画化されます。ウィンさんは、映画『レディ・プレイヤー1』でスピルバーグ作品に出演しました。『ウエスト・サイド物語』を愛し、スピルバーグ監督をよく知る立場から、このコラボレーションにどんな期待をしていますか。
森崎 まずスピルバーグ監督が『ウエスト・サイド・ストーリー』をやることにびっくりしました。『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』や『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のように、本当に幅の広い作品をやられている方ではあるのですが、ミュージカルというイメージがなかったので意外だったというか。
でも、予告編を観る限り、舞台となる1950年代後半の空気感を画の質感で見事に再現していて面白そうだなと思いました。『ウエスト・サイド・ストーリー』らしいクラシカルな世界観に、スピルバーグ監督ならではのエンタテインメント性がプラスされそうで。どんなふうに『ウエスト・サイド・ストーリー』が生まれ変わるのか、僕も早く本編が観たいです!
Profile
森崎ウィン
1990年生まれ、ミャンマー出身。小学校4年生の時に日本へ渡る。2008年よりダンスボーカルユニット・PRIZMAX(現、解散)のメインボーカルとして活躍した。俳優としても様々な映画、ドラマ、舞台に出演し、2014年には『シェリー』で映画初主演を務める。2018年、日緬共同制作映画『My Country My Home』に出演、そのスピンオフであるドラマ版『My Dream My Life』では主演を務め、現地のテレビ局mntvで冠番組「Win`s Shooow Time!」を持ち、様々な広告に出演するなどミャンマーで大ブレイク。スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』のオーディションでメインキャストであるダイトウ/トシロウ役に抜擢され、ハリウッドデビューを果たした。近年の映画出演作に、『海獣の子供』『トゥレップ』『蜜蜂と遠雷』(19)、『キャッツ』(20)などがある。映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。またメ〜テレ制作の連続ドラマ『本気のしるし』(19)にて初の連ドラ主演を果たした。2020年は世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版Season2(主演:トニー役)に出演。
取材・文:横川良明 撮影:奥田耕平
ヘアメイク/KEIKO、スタイリング/添田和宏
衣装協力/ブルゾン¥50,600/バラクータ(バラクータ カスタマーサービス TEL:0120-165-006)
長袖カットソー¥25,300/アタッチメント(シアン PR TEL:03-6662-5525)
中に着たニット¥38,500/オーハル(ジョワイユ TEL:03-4361-4464)
パンツ¥19,800/ウールリッチ(ウールリッチ カスタマーサービス TEL:0120-566-120)
ソックス¥2,090/タビオ(タビオ株式会社 TEL:0120-315-924)
シューズ¥41,800/リーガル シュー & カンパニー(リーガル シュー & カンパニー TEL: 03-5459-3135)
その他本人私物
『ウエスト・サイド物語』が
時代を超えて愛される理由
森崎ウィンが語る
『ウエスト・サイド物語』の魅力
『【初回限定生産】ウエスト・サイド物語 日本語吹替音声追加収録版ブルーレイ』
12月3日(金)発売
6980円(税込)
【初回限定生産仕様】
美麗アウターケース仕様、復刻日本版ミニポスター(2種)付き
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト https://warnerbros.co.jp/c/news/2021/09/2948.html
©1961 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.All Rights Reserved.
Text:よしひろまさみち