2021年を騒がせた『ベイビーわるきゅーれ』、阪元裕吾監督に映画業界のアツい視線!
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『ベイビーわるきゅーれ』 (C)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会
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すべて見る2021年の映画を振り返るにあたり、決して無視できない逸品がある。7月末にわずかな館数で劇場公開され、「とんでもないアクション映画が現れた!」と口コミが広がり、現在もロングラン上映が続いている『ベイビーわるきゅーれ』だ。
『ベイビーわるきゅーれ』は、高校を卒業したばかりの暗殺者女子ふたりが、プライベートでも同居しながら、“表の顔”であるバイト探しに悪戦苦闘するコメディ作品。舞台版『鬼滅の刃』で禰豆子を演じた高石あかりと、ハリウッド映画でも活躍するスタントパフォーマーの伊澤沙織が主人公コンビを演じ、ふたりが醸す絶妙なバディ感と、とりわけ伊澤の身体能力を生かしたリアリティ重視のアクションにハマる映画ファンが続出している。
監督を務めたのは現在25歳という若手のホープ、阪元裕吾。快進撃は『ベイビーわるきゅーれ』に留まらず、今年1月には福士誠治主演の『ある用務員』、9月にはアクションホラーの『黄龍の村』、そして10月には2019年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映された『最強殺し屋伝説国岡 完全版』と監督作が相次いで劇場公開。池袋のシネマ・ロサでは、一時は上記の阪元作品4本すべてを連日上映する異例の事態となった。
そんな旬の監督に着目したのが、「10万分の1秒の音響映画祭」を成功させたばかりのTOHOシネマズの新企画「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」。気になる映画人や、もっと注目されるべき作品を洋邦問わず紹介していくプロジェクトで、記念すべき第1回に阪元監督を取り上げることが決定。これまではミニシアター系だけで上映されていた『ベイビーわるきゅーれ』と『ある用務員』が、12月21日にTOHOシネマズ日比谷の大スクリーンで特別上映されるのだ。
もちろん特集上映の顔である阪元監督が舞台挨拶で登壇するほか、『ベイビーわるきゅーれ』の主演コンビ、高石あかりと伊澤沙織、『ある用務員』の福士誠治も会場に駆けつけるという。
この2本には、密接なつながりがある。高石と伊澤は『ある用務員』に女子高生の殺し屋コンビ役で出演しており、ふたりが演じたキャラに可能性を感じた製作陣によってスピンオフ的に企画されたのが『ベイビーわるきゅーれ』なのだ。厳密には同じキャラクターではないのでスピンオフではないのだが、『ある用務員』なくして『ベイビーわるきゅーれ』は生まれなかったのである。
チケットは早くも完売し、阪元監督の勢いを証明する格好となった。劇場のシートが確保できなかった人も、どうか『ベイビーわるきゅーれ』が起こしたガールズアクション革命や、ユーモアとバイオレンスが同居する阪元ワールドを知ってほしい。そして暗い世相ははねのけて、「日本映画の未来は明るい」と信じさせてくれるパワーを実感していただきたい。
文:村山章
「TOHOシネマズ・ピックアップ・シネマVol.1」
12月21日(火)19:00~(本編上映前に舞台挨拶)
※2作品続けて上映。
上映作品:『ある用務員』、『ベイビーわるきゅーれ』
ゲスト:阪元裕吾監督・福士誠治・高石あかり・伊澤彩織(予定)
会場:TOHOシネマズ日比谷
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