京アニの“原点”『ムント』シリーズがBlu-ray BOXに! 相沢舞×小野大輔が語る見どころ
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すべて見る京都アニメーションの“原点”となる完全オリジナルアニメーション『ムント』シリーズ。TVアニメ『空を見上げる少女の瞳に映る世界』(2009)全9話と、劇場版『天上人とアクト人 最後の戦い』(2009)が数量限定生産のBlu-ray BOXとなって、12月22日にリリースされる。新規描き下ろし三方背BOXや、オーディオコメンタリーの再録、Webラジオセレクションなど特典も超豪華だ。主人公・日高ユメミの心の成長を描いたファンタジー作品について、ユメミ役の相沢舞と異界の王ムント役の小野大輔に語ってもらった。
――Blu-ray BOXが発売されると聞いたとき、どう思いましたか?
小野 京都アニメーション初のオリジナル作品が『ムント』シリーズになるわけですが、それはイコール、京都アニメーションの技術の粋であったり、京都アニメーションさんが持っている熱い思いが全て込められた作品ということなのだと思います。だから今、こうして時を経て、皆さんにお届けできることにはすごく深い意味があるし、京都アニメーションを愛してくださった方にとって、宝物のようなBlu-ray BOXになるのだろうなと思いました。
――2000年代らしさもありながら、京アニらしいきめ細かな演出、髪の揺れなど作画も本当に丁寧で、この時代からこんなことをしていたんだという驚きがありました。それが、こうやって形として残るというのは嬉しいことですよね。
小野 本当にそのとおりで、手元に取っておきたい作品ですよね。これがあればいつでもムントの世界に行けるし、それは僕がそうなんですよね。自分のキャリアの中で行き詰まったり立ち止まってしまったときに、この作品を観返したいと思うんです。京都アニメーションの“原点”と書かれていますが、僕にとってもそうで、手に取ってくださる皆さんにとっても、生きていく中の要所要所で『ムント』シリーズを観ていただいて、この作品のことを忘れないでいてくれたら嬉しいなと思います。
――相沢さんはいかがですか?
相沢 10年以上の時を経て、もう一度皆さまのお手元に届けられるということと、『ムント』シリーズを知らない方にも知っていただける良い機会だと思って、本当に嬉しかったです。
――あらためて、今回新しく描き下ろされたイラストのジャケットを見ていかがでしたか?
小野 すごくよくできていますよね。
相沢 ムント様がちゃんと逆さまになっていますね。
小野 天上界と地上界をしっかりと表していて、まさしくムントの世界観なんですよね。僕が嬉しかったのは、地上界にはユメミと以知子(CV.堀川千華)と涼芽(CV.今野宏美)の3人がいて、天上界にはムントがいるんですけど、その後ろに仲間たちがいるんですよね。ムントもひとりじゃないんだって、グッと来てしまいました。
相沢 現場で人気だったルイ(CV.遠藤広之)もいますね。
小野 イケメンだからね。人気だったの?
相沢 私だけかもしれないですけど(笑)。出番は少なめでしたけど現場で人気があったキャラクターたちがちゃんといるので、スタッフさん、分かってるな~って思いました(笑)。
小野 でも、ガス(CV.稲田徹)がいないのは切ないね。あとグリドリ(CV:白石稔)も当然いないっていう。
――その理由は、本編を観ていただければ分かりますね。
小野 あと空の表現がいつも素晴らしいんですよ。僕は京都アニメーションさんで初めて主役をやらせていただいたのが『AIR』という作品なんですが、それにも通じる空の表現。やはり京都アニメーションの空の表現は素晴らしいし、凝縮されているなぁって思います。
――その他で、BOXのおすすめポイントはありますか?
小野 WEBラジオセレクションが聞きどころなんでしょ?
相沢 そこは優しいお耳で聞いていただければと思います(笑)。でもラジオでは主にコントをした思い出しかなくて……。ただ最終回には木上益治監督も来てくださって、面白いことをしていただいたので、ぜひ聞いてください。
小野 それは貴重だね! 別の取材で、ラジオがすごく楽しかったと相沢さんが言っていたので、僕も聞くのが楽しみです。
相沢 一緒にラジオをしていた内田彩さん(チカラ役/ユメミの弟)もほぼデビューくらいの時代なので、時を超えて聞いていただけると嬉しいです。
役柄とリンクする部分と、初めて明かされる“12年目の真実”
――当時のアフレコの思い出はありますか?
相沢 初めて大きな役をいただいて、最初は緊張していたんですけど、皆さんが本当に優しくて温かかったので、楽しかった思い出しかないんです。アフレコ現場でもずっと笑っていました。お話的には重めだったりするんですけど、現場は和気あいあいとした感じでしたし、高森和也役の(高橋)伸也さんが、うるさかったなぁとか(笑)、よく覚えています。
小野 はははは(笑)。
相沢 うるさかったはごめんなさい(笑)。元気だったなぁにしておきます。
小野 高橋伸也と白石稔は確かにうるさかったね。僕は裏の座長というか、一応主人公が新人さんだと聞いていたから、しっかりしなければいけない、後輩に良いアドバイスをしなければいけないと思っていたんです。勝手にこの作品を背負わなければと思ってしまっていたけど、本当に相沢さんが立派でした。最初からユメミとして凛と立っていて、お芝居で動じているところを見たことがないんです。
音響監督の鶴岡(陽太)さんの指示って、抽象的だったりすることもあるから、どういう意味だろう?と考えさせられることもあるんです。でもそれを真っ直ぐに捉えて、お芝居に込めていたから、後ろだったり横から見ていて安心でした。その姿を見たときに、僕はひとりで背負わなくていいし、ふたりで、そしてみんなで作品を作っていけばいいのかなって思ったんです。だから途中から、あまり頑張りすぎないほうがいいなと思いました(笑)。
でもそれって、実はムントという役にもリンクしていて、ムントもこういう気持ちだったのかなと。当時は何となく感じていたけど、今あらためて観ると、あのときの自分はムントだったなと思うんですよね。
――最初は孤独な戦いをしていましたからね。ユメミに関しては、相沢さんと近いところはあったのですか?
相沢 自分とリンクするところは多かったし、自分に似過ぎていて逆にできないっていうのは感じていました。頑固なところとか最初は人にあまり頼らないところとか、あまり心を開かないところとか……。
小野 あははは(笑)。なるほどね。
相沢 だから役をいただいたときも、そのままの相沢さんでと言ってくださって。
小野 そういえばオーディションだったの?
相沢 いや、オーディションはしていないんです。
小野 指名だったの! それは初めて知った(笑)。12年目の真実。すごいね! スタッフの皆さんの中で、相沢さんの中にユメミが見えていたんだろうね。
相沢 役をいただいたときは、確かに似ているところがあると思っていたんです。ただ、後半の台本をいただき映像を観たとき「全然(私と)違う! こんなにユメミは変わるんだ!」と思って、そこでもう一度悩むみたいなことはありました。
京アニファンなら絶対に観るべき作品!
――もしかしたら同じシーンかもしれませんが、本作で印象に残っているシーンとなると、どこになりますか?
相沢 まさしく、グンタール(CV.若本規夫)と対峙するラストのシーンですね。あのシーンは本当に印象的だったというか。シンプルだけどすごく大切なことを言っていると思ったし、それは自分にも言いたいことだし、いろんな人に伝えていきたいセリフだったので、いちばん印象に残っています。
――世界を守るということはどういうことか、というところですね。声の表情がガラッと変わってすごく印象的でした。小野さんはいかがですか?
小野 いちばん印象的だったのは、やっぱり第2話のユメミの「うるさい、やなこった!」ですね(笑)。そこが始まりですし、うまく言葉で表現できないけど、僕はたまらなく好きなんです。あの古き良き王道ラブコメ感(笑)。王道を真っ直ぐにものすごく高いクオリティでやっているのが『ムント』シリーズなので、あのシーンはそれが象徴されているし、やっぱりアニメっていいよね!と思うシーンでした。ここは理屈抜きで、ずっと好きなシーンです。
――では最後に、発売を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
小野 この当時の僕らのすべてを詰め込んだ作品です。役者はもちろん、京都アニメーションスタッフ一同の思いがこれでもかと詰め込まれた作品だと思います。僕はイチ京都アニメーションファンですが、京アニファンなら絶対に観るべき作品なので、Blu-ray BOXを買って観ていただき、また新しい京アニファンの方に勧めてあげてください。
相沢 本当に京都アニメーションのファンの方はぜひ手に取っていただきたいです。そして特典がすごいです。デジタルギャラリーもすごいんです! 絶対にボックスで観ていただきたいので、よろしくお願いします。
取材・文:塚越淳一 撮影:源賀津己
『ムント』シリーズBlu-ray BOX(数量限定生産)
12月22日(水)発売
価格:30,800円(税込)
品番:SHBR-0648
◆DISC1
【本編】 『空を見上げる少女の瞳に映る世界』(1話~5話)
【特典】 ・OP絵コンテギャラリー※初収録 ・DVD発売時CM
・デジタルギャラリー
・第1話~第5話オーディオコメンタリー
【出演】木上益治監督 ほかスタッフ多数
◆DISC2
【本編】 『空を見上げる少女の瞳に映る世界』(6話~9話)
【特典】 ・WEBラジオセレクション※初収録
【出演】第4回:相沢舞、白石稔、内田彩
第6回 :相沢舞、白石稔、内田彩 ほか
第23回(最終回):相沢舞、白石稔、内田彩、木上益治監督
・第6話~第9話オーディオコメンタリー
【出演】相沢舞、堀川千華 ほかスタッフ多数
◆DISC3
【本編】 『天上人とアクト人 最後の戦い』
【特典】 ・劇場用予告、上映時TV-CM ・2019年再上映時予告映像
・舞台挨拶映像
【出演】相沢舞、小野大輔 ほか
・ドラマCD
・劇場版オーディオコメンタリー
【出演】相沢舞、小野大輔 ほか
<外装特典>
・新規描き下ろし三方背ボックス
<封入特典>
・復刻&新規ブックレット
・特製原画ブック
※商品や特典のデザイン・仕様などは予告なく変更になる場合がございます
発売元:京都アニメーション / 販売元:松竹
(C)京都アニメーション. All Rights Reserved.
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