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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 第2回:これを観れば映画がもっと楽しめる『WOWOWオリジナルドラマ 前科者―新米保護司・阿川佳代―』

第2回:これを観れば映画がもっと楽しめる!
『WOWOWオリジナルドラマ 前科者―新米保護司・阿川佳代―』

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「ワタシ、保護司向いてないんでしょうか……」
新米保護司・阿川佳代の苦悩と奮闘の日々

「ビッグコミックオリジナル」で連載中の人気コミックを原作に、有村架純演じる新米保護司・阿川佳代の奮闘を描くWOWOWオリジナルドラマ『前科者 -新米保護司・阿川佳代-』。罪を犯した“前科者”たちの社会復帰を手助けするため、彼らと向き合う保護司を主人公にした本作は、映画『前科者』の前日譚にあたるシリーズ。映画版から遡ること3年、保護司になったばかりの阿川が、それぞれ担当することになる“前科者”たちと不器用に向き合いながら成長する姿を描いていく。

保護司の使命に燃える阿川の熱血ぶりは今も昔も変わらないが、心の揺らぎはやはり新米時代にもつきもの。空回りしがちな情熱を抱えつつ、最善の方法を模索しようともがく等身大の奮闘が、その後の阿川佳代を形作っている。

まだ経験の浅い阿川の前に立ちはだかる難問とは? 彼女は何を見て、何を学んでいくのか? “保護司・阿川佳代”の原点を知れば、映画版がより楽しめるのも間違いない。

INTERVIEW

社会の厳しさや人の葛藤をきちんと描いているところが、
ある意味で美しい作品です

「ドラマに登場するのは新人時代の佳代で、浅い経験の中で奮闘する姿や保護観察対象者の方々に翻弄されながらも、不器用に、懸命に成長していく姿を追った成長物語になっています。みどりさんを演じる石橋(静河)さん、石川さんを演じる大東(駿介)さん、多実子さんを演じる(古川)琴音ちゃんのお芝居がとにかく素晴らしいので、佳代と保護観察対象者の方々の関係にもぜひ注目していただきたいですね。

映画の方はドラマから3年後の設定で、保護司の仕事にもようやく慣れてきた佳代が登場します。なので、ドラマではどれくらい未熟か、映画ではどれくらい成長しているのか。演じる上ではその違いも多少意識しましたが、そういった部分もそれぞれの脚本にきちんと反映されていましたから、私は物語と素直に向き合うだけでよかった気がします。ドラマにはドラマ、映画には映画の佳代らしさを込めることができました。

どのエピソードもきれいさっぱりハッピーエンドを迎えるわけではなく、まだ戦いは続くのだと感じさせる終わり方でもあることがシリーズの特徴かなと思います。乗り越えなきゃいけない試練が、社会を生きていく上ではまだまだある。そういった社会の厳しさや人の葛藤みたいなものをきちんと描いているところも現実味があり、ある意味美しいと思っています」

撮影:川野結李歌
ヘアメイク:尾曲いずみ スタイリング:瀬川結美子
衣装協力:エボニー、ルーム エイト/オットデザイン、リューク、マナ

3人の“前科者”と駆け出しの保護司
岸善幸監督らが描く、人生の再生のドラマ

映画『前科者』だけでなく、『前科者 -新米保護司・阿川佳代-』も岸善幸監督が演出に参加。『二重生活』や『あゝ、荒野』などで高い評価を受けてきた岸監督が、“前科者”たちと駆け出し保護司の人間味溢れるドラマを紡いでいく。

繊細で深みのある人物描写とリアリティの追求に定評のある岸監督だが、その冷静な眼差しは、保護司の任務にスポットを当てつつ、周辺で巻き起こる人間模様を見つめていく本シリーズでも健在。原作コミックの世界に実写の手触りを丁寧に加えながら、心に響く社会派エンタテインメントへと導いている。

題材がシリアスであるだけに阿川が受け持つケースにもそれぞれシビアな事情が伴うが、そこから生まれる人間ドラマのささやかな温かみもシリーズの魅力。厳しい状況の先に待つ希望の光のまばゆさを、悩める“前科者”たちとパワフルな主人公・阿川佳代が感じさせてくれる。

映画版と共通のキャラクターも!
ドラマ版で新米保護司・阿川を取り巻く人々

ドラマシリーズ全6話の中で、阿川佳代は3人の“前科者”を担当。その記念すべき1人目であり、彼女の保護司人生に欠かせない存在となっていく斉藤みどりを、石橋静河が演じている。また、2人目の保護観察対象者で、ある秘密を抱える石川二朗を大東駿介、3人目の保護観察対象者で、知らぬ間に人生を踏み外してしまった田村多実子を古川琴音が熱演。法を破り、社会の闇に足を踏み入れてしまった者たちの悲哀、絶望、複雑な人間性を、実力派たちが巧みに表現している。

さらに、阿川がアルバイトをするコンビニの店長・松山友樹役で宇野祥平、保護司の阿川を導いていく保護観察官・高松直治役で北村有起哉が出演。石橋演じる斉藤みどりをはじめ、店長の松山や保護観察官の高松は映画版にも登場。彼らと阿川の関係性の変化を、ドラマと映画で観比べてみるのも面白い。

Character

斉藤みどり
(石橋静河)

経営していたアクセサリーショップの従業員に激しい暴力を振るい、恐喝および傷害罪で懲役2年の刑に。仮釈放となり、阿川にとって初めての保護観察対象者となる。自由奔放な性格で、阿川を振り回すこともしばしば。しかし、やがて阿川と固い絆で結ばれていく。

石川二朗
(大東駿介)

実の兄を包丁で刺殺し、殺人罪で懲役6年の実刑判決を受ける。服役中の態度が良く、刑期を半年残して仮釈放に。もともと農業を真面目に営んでおり、殺人を犯したとは思えないほどの礼儀正しさを持つ。阿川とも信頼関係を築いていくが、ある秘密を抱えており……。

田村多実子
(古川琴音)

覚せい剤取締法違反で逮捕されるが、執行猶予の判決を受け、阿川の3人目の対象者に。恋人の裏切りによって性風俗で働かされ、薬漬けとなってしまい、自信と希望を失っている。薬物との闘いに寄り添おうとする阿川に心を動かされ、自らも更生を強く望むが……。

松山友樹
(宇野祥平)

阿川がアルバイトとして働くコンビニの店長。緊急事態などが発生した際、バイト中にもかかわらず保護司の仕事を優先させようとする阿川に渋い顔を見せる。しかしながら、文句を言いつつも、実は彼女の奮闘を誰よりも温かく見守っている。

高松直治
(北村有起哉)

東京保護観察所の保護観察官。更生保護に関する専門的な知識を持つ国家公務員で、阿川が担当する案件を決定し、監督する。まだ新米ゆえに保護司としての線引きが曖昧になりがちな阿川を時に厳しく指導しながら、その成長を見守っている。

Text:渡邉ひかる

『WOWOWオリジナルドラマ 前科者ー新米保護司・阿川佳代ー』
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