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中河内雅貴・竹内將人・山崎大輝 “若き恋人”3人が語る、舞台『ピアフ』初出演への意気込み

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中河内雅貴(中央)・竹内將人(右)・山崎大輝(左) 撮影:川野結李歌

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歌手エディット・ピアフの愛と歌で彩られたドラマチックな人生を描く、大竹しのぶ主演舞台『ピアフ』(演出:栗山民也)が2022年2月24日(木)、東京・日比谷シアタークリエで開幕する。

2011年に大竹しのぶが主演して以来、「ピアフが大竹しのぶに舞い降りた」と絶賛されてきた本作。今回、新たにキャスティングされた中河内雅貴(ピアフと最も熱い恋をしたボクサー、マルセル・セルダン役)、竹内將人(ピアフに見出だされた歌手・イヴ・モンタン役)、山崎大輝(ピアフの生涯最後の恋人・テオ・サラボ役)の3人に、作品についてやお互いの印象について語ってもらった。

歴史ある作品への出演
エネルギーに負けないように

ーーまずは出演が決まったときの気持ちを教えてください。

中河内 『ピアフ』という作品はもちろん知っていましたし、過去に出演した俳優仲間から「大竹(しのぶ)さんが本当にすごい」とか「栗山(民也)さんの演出が何も言えないぐらい素晴らしいです」とか噂は聞いていたんですけど、まさか自分が『ピアフ』に出演できるとは思っていなかったですね。

出演が決まってから熱心にいろいろなものを読み漁ったり、映像を観たり。改めてかなり大変な役を大竹さんはやられているんだなと知りました。この歴史ある、みなさんが育ててきた大切な作品に出演させていただけることが、本当に本当に嬉しくて、光栄なことだと思っています。作品を汚さないように役を務めたいと思います。

山崎 大竹さんはずっとテレビや舞台を通して拝見させていただいていましたが、実際にお会いして大竹さんのエネルギーをすごく強く感じました。そのエネルギーに僕らが負けているようではいけないですし、それを上回るエネルギーを持ってお芝居させていただかないと……。そんな大竹さんとお芝居をさせていただけること、そして、演出の栗山さんは昨年ミュージカル『スリル・ミー』でご一緒させていただいたのですが、また栗山さんの世界を味わえること。こんな贅沢なサンドウィッチがあるのかという......。

中河内 いい表現!メモしておこう(笑)

山崎 (笑)本当に、どこを見ても勉強になること、光栄なことばかりです。言葉でなんと表現したらよいか分からないぐらいに、ドキドキワクワクもしています。

竹内 僕は大竹さんと栗山さんという素晴らしい方々のもとで演劇ができることが嬉しいです。俳優仲間からも「え!『ピアフ』に出るの?」と羨ましがられるような素晴らしい作品だと思うので、真摯に向き合っていけたらいいなと思います。セリフが中心のストレートプレイの進み方ですが、歌もあります。過去の製作発表の言い方などを見ていると、「音楽劇」という言い方が近いのかなと思うんですけど、僕は(子役時代などを除くと)今回が4作品目で、過去3作品は完全にミュージカルでした(『レ・ミゼラブル』『GREY』共に'21年、'19年『アナスタシア』)。セリフで人とやりとりをして、物語を進めていくということについて、しっかり先輩たちの演技を見て、盗んで、自分で消化して、頑張りたいなと思います!

それぞれの役を通してのピアフとの向き合い方

ーーそれぞれの役について、役を深められている最中だと思いますが、やりがいや楽しみなところ、難しいところなど、今の時点で考えていることをぜひ教えてください。

中河内 マルセルは台本によく分からないト書きがあるんです。普通に喋っているところにト書きで「ボクサーとして喋る」とあるんですよ。しかもそれはピアフとの掛け合いでいい話をしている流れのシーンですけど、ボクサーっぽいとは何か......。今の自分では読み解けていないので、栗山さんにお聞きしないといけないですね。稽古前でそういうわからない部分もありますが、基本的にはピアフがそのときに一番愛していた人物。もちろんマルセルもピアフのことを妻よりも愛していた。心と心がちゃんと結び合っているふたりという根底を持った上で、演じたいと思います。

例えば強い男性が心を寄せている人にぼそっという本音の弱さ、それは信頼がないと言えないと思うんです。マルセルの人物像をしっかりと理解して、お芝居でそれを表現できるように積み上げていきたいですね。そのうえで大竹さんとセッションしたときにどういう化学反応が起きるか、さらに大竹さん演じるピアフとセッションしたときにどういう爆発が生まれるのか。未知の世界なのですが、楽しみながら、いつでも何が来てもいいように、いろいろな引き出しを用意しておきたいなと思います。

山崎 ピアフとデュエットさせていただく場面があるんですけど、実際の映像でも見つめ合って歌っていて、舞台でもテオとピアフは互いを見つめ合って歌うんですよね。あれだけ大きな空間で、客席も向かず、歩きまわりもせず、マイク1本で互いを見合って歌うって、すごい異質な映像だなと思うんですよ。僕、そんな光景を見たことなくて! 片時も離さずに愛を伝え合っているわけですから。大切にしたい場面ですし、言葉が合っているか分かりませんが、違和感を感じて欲しい場面でもあります。お客様の心に残るようにしたいですね。

竹内 イヴ・モンタンは有名なので、皆さんの中にイメージが出来上がっていると思うんです。でも僕が演じるのは、若き日のイヴ・モンタン。彼はもともと内気で、歌に出会ってから外を向くようになったんです。ピアフにいろいろと見出されて、指導されて、皆さんが知っているようなイヴ・モンタンになっていきます。その辺りを上手く演じられたらいいなと思います。

お茶目で声が良くて、“いいイケメン”
初対面のお互いの印象は?

ーー初共演の皆さん。それぞれの印象を教えてください。

中河内 竹内くんは本当に真面目な人なんだろうな。......まだ分からないですよ。これからどんどん掘り下げていくので、彼のネガティブな部分が見えてくるかもしれない。でもそういう面も知った方が人間としてとても魅力的に感じますよね。それから、今、インタビューで喋っている声がとても心地良くて。すごい眠いんですよ、僕(笑)

竹内 それは単純に眠たいんじゃないですか?(笑)

中河内 いやいや、いい重低音で響く声! この声で芝居するの、めちゃくちゃいいなと感じています。ストレートプレイは初めてということですが「このままナチュラルにいってね」と心の中で思っていました。楽しみです。山崎君は緊張しいだし、昔の自分を見ているようですね。一生懸命なところが素敵だなと思うので、これからいろんなことを経験すると思うんだけど、そのまま一生懸命さとピュアな感じでいくと、どんどん仕事が増えるよと思っています……なんかね、すごくいじりたくなるような感じ(笑)。レスポンスが早くて、何かを言ったらパッと返してくれる。反射神経がいいんだなと思っています。それはすごくお芝居をする上で大事なことですよね。まとめると、飲みに行ったら最高なんだろうなという印象です。

山崎 ありがとうございます(笑)中河内さんとは今日初めてお会いしたんですけど、少しお茶目なところありますよね。

中河内 あるある。自分のことを小学3年生だと思ってるから(笑)

山崎 そういう姿も含めて、人生の先輩で、兄貴で、なんだか舎弟の気分です。

中河内 やだやだ、みんなイーブンでフラットで行こうよ!

山崎 周りの空気を読んで「ここは俺が行かなきゃダメだぜ」というのを考えて率先して動いてくださっています。竹内君も初めましてなんですけど、27歳なんですよね? 僕は26歳なんですけど、あと1年でとてもこういう風にはなれない......。

竹内 真面目でもなんでもないから!

山崎 本当にしっかりされているなと思いました。それにおふた方、良い声ですよね。ぜひいろいろ教えてください!

竹内 部屋に入ったときに、すでに中河内さんがいらっしゃったのですが、製作発表前で緊張されていたのか、黙っていたので、正直ちょっと怖いなと思ったんですけど(笑)、お話させていただいたら、お茶目で、マスクを取ったら童顔で可愛くて。よりお茶目でかわいい方だなと思いました。それが第一印象です。山崎君も初対面なんですけど、身長が高くて、イケメンで、本当に格好いいなというのが第一印象。先ほど中河内さんも仰っていましたが、レスポンスが早くて、ボケが早い。すかさないでボケも言ってくれるなんていいイケメン(笑)。価値の高いイケメンだなと思います。

初対面でも温かい大竹しのぶさん
聞いてみたい事は・・・?

ーー最後に主演の大竹さんについて。『ピアフ』は大竹しのぶさんの代表作といっても過言ではないと思います。〈女優・大竹しのぶ〉の印象は? 何か聞いてみたいことがあったらぜひ!

竹内 まだ稽古も始まっていなくて、お会いしたばかりなので、製作発表の印象なのですが、ふと投げかけてくれる眼差しや反応が今日初めて会った人じゃないというか、前から知っていたかなというぐらい温かく、愛がありました。気持ちを和らげてくれましたし、しっかり心を奪われました。

中河内 めちゃくちゃ可愛らしい人だなと思いました! お茶目で、自分に素直に生きていらっしゃる方ですよね。製作発表のときに初めてお会いしたんですが、気さくに話しかけてくださったり、こちらにまで気を遣って緊張をほぐしてくださって、大変感謝しております。でもこれからお芝居をしていく上では、「大竹しのぶさんだから」という変な気遣いは取っ払っていかないと大竹さんに失礼だと思うので。なるべく大竹さんがナチュラルでいられるように、こちらもちゃんと歩み寄って、稽古場づくりをしていきたいなと思います。大竹さんにお聞きしたいのは、長く舞台をやる秘訣を聞いてみたいですね。舞台に立ち続けることは本当に大変なことだと思うので、ぜひお聞きしたいです。

山崎 純粋で真っ白な人だなと思いました。驚くほど気取っていなくて、だからあんなピアフができているんだなと思いましたね。本当にすごい女優さんだと思います。大竹さんに質問したいことは、めちゃくちゃどうでもいいことだと思うんですけど、インスタグラムに書き初めを投稿されていたんですよ。それがとてもきれいだったので、書道とかやっていたのかなと......。

中河内 本当にどうでもいいけど(笑)聞いてみてもいいと思うよ(笑)

山崎 どこかのタイミングで一緒に聞きに行きましょう!

中河内 一緒に!?

一同 (笑)



取材・文:五月女菜穂
撮影:川野結李歌



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『ピアフ』
2022年2月24日(木)~2022年3月18日(金)
会場:シアタークリエ
東京公演終了後、大阪・福岡にて上演予定

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