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Wienners・Vo玉屋2060%が語る、絶好調な今と初リミックスアルバム『Wiemixes』への思い

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玉屋2060%(Wienners) Photo:かい

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Wiennersが初のリミックスアルバム、その名も『Wiemixes(ウィミキシーズ)』を完成させた。しかしこのアルバム、ただの、よくあるリミックスアルバムではない。曲を書いた玉屋2060%(Vo/Gt)自ら全曲リミックスしているというのもそうだが、それ以上に、とにかくどの曲も原曲とタメを張るくらいに強烈な個性とキャッチーさを持った「楽曲」になっているのだ。なぜWiennersの、というか玉屋のリミックスはこういうことになるのか?そしてリミックスがバンドに与える影響とは?今まさに絶好調だというWiennersの近況も含めて、玉屋にたっぷり語ってもらった。

Photo:かい

――まず、このタイミングでこういうアルバムを作るに至ったきっかけというのはどういうものだったんですか。

元々、アルバム出すたびに店舗特典でリミックスをちょこちょこ出していて。ほとんどその存在を知られてなかったんですけど、自分たちのツアーで会場のBGMでずっと使ってたら、お客さんが「これ何だ?」っていう感じになって。自分たちの音楽的な幅の広さみたいなところを見せるのにこれはいいんじゃないかということで、せっかくだからリリースしちゃおうと。

――リミックスやりましょうってなった時にはどうアプローチするんですか?

もうとにかく妄想ですね。たとえば今回のリミックスアルバムに入っている「おおるないとじゃっぷせっしょん(Japanese vs Latinize ver.)」だったら、元々めちゃめちゃ日本をテーマにした曲なんですけど、これにラテンのチリソースかけたらどんな味になるかなって考えて。きっとこういうコード進行になるよなあとか、そういう妄想から音を作り始めていく。あともう1つのパターンとしては、「恋のバングラビート(Spice Curry ver. ~ feat. MC Maharaja ~)」とか「FACTION(Noisy Digital Orchestra ver.)」とかは元のテーマをより深く、具体的な音にしていったんですけど、そういうのもあって。「恋のバングラビート」は思いっきりバングラビート、インドのEDMを参考にして、もうそれをやるっていう。たぶんこれ、世界初の日本語のバングラビートの曲だと思うんですけど(笑)。

――確かに、どのリミックスもオリジナルの「おまけ」にはなっていないですよね。

そう、別のものなんですよ。

――というか、玉屋さんの頭の中のイメージをバンドという形で表現するとオリジナルのバージョンになって、頭の中だけで完結させるとこのリミックスバージョンになるっていうことなのかなと思ったんですよね。

そうっすね。リミックスの場合はそれこそ自分の思い描いている映像を100%届けるっていうのがまずゴールにあるんです。でもそれだけではつまらないので、そこから自分じゃ予期しないことが起こる何かを絶対にやるようにしていて。
たとえば俺、めちゃくちゃこの手法をやるんですけど、いろんなボーカルデータをちょんぎって……最近「ボーカルチョップ」って流行ってるんですけど、それをたぶんみんながやってる手法とは違う、企業秘密のやり方で切って繋げて(笑)、ギターとかベースもランダムで並べてってやっていくと、自分じゃ考えつかなかったメロディがまた新しく生まれてきたりするんです。それはもう自分の想像の範疇外になるので、それで1個先行ったなみたいな感じになる。その余白は絶対残しながらやってるってのはありますね。

――でも、そもそも自分で作っている曲なわけじゃないですか。だからたとえば原曲を作る段階で、なんとなくその別バージョンっていうのが頭の中にあることもあります?

Photo:かい

曲を作る段階で別バージョンっていうのはどの曲もあって。別バージョンというか、元のネタみたいなもの?たとえば「恋のバングラビート」だったらそのバングラビートっていう元ネタというか背景があるんですよ。そこから曲を作るときにいくつかパターンが生まれてきて、どっちを取ろうかっていうときも結構あるんです。そこで置いておかれた方をリミックスに使うというのはありますね。それこそ「座頭市」のリミックスに入っている尺八と三味線のソロがあるんですけど、あれはデモを作ってる段階で削ったパートだったんですよね。それをまんまリミックスに入れてる。そういう、入りきらなかったメロディだったり、入りきらなかったリズム、入りきらなかった展開、そういうものは常にストックしてあって、それは別の曲で使うときもあれば、リミックスで復活するときもあるっていう。エコですね(笑)。

――なるほど(笑)。「座頭市」とか「FACTION」は何となくわかるんですよ。元々あったものなんだろうなっていう。でも一方で、どこから持ってきたんだこれっていうのもあるじゃないですか。「ASTRO BOY (Black Hole ver.)」とか(笑)。

もう歌っちゃってますからね、新しい歌詞を(笑)。これは、原曲がほぼインストだったんで、リミックスしたら面白いなと思ってたんですけど、その頃にはもうリミックスっていう概念をこじらせすぎちゃっていて。曲のコンセプトさえ残っていればリミックスだろう、みたいな感じになってて(笑)。実際、このリミックスバージョンで使ってる元の素材はコード進行と「銀河系全生命体応答せよ」っていう言葉だけなんですよ。あの曲の元々のコンセプトって、地球からロケットかなんかでウワーって発射して大気圏突破するところの爆音みたいなのと、パッと突破した後の宇宙の浮遊感みたいなのを演奏で表現するっていうものだったんですけど、それを今度は具体的に言葉で表現してみようとしてラップを入れたっていう。それでこういうふうになってしまった(笑)。

音楽性の広さみたいなものをちゃんと見せるツールにもなる

Photo:かい

――そしてそのラップを、他の誰に頼むでもなく、メンバーのアサミサエさんにやらせているという。これ、結構無茶振りだったんじゃないかと思うんですが。

本当に無理やり「やってよ」って。「じゃあ明後日レコーディングね」って言って、うちに来てもらって録りました(笑)。というのも最近、サエちゃんとヒップホップの話をすることが多くて。晋平太がYouTubeチャンネル結構やってたりとか、呂布カルマが生配信やってたりとか、あれを結構見てるみたいな話をしてたりしたので、じゃあちょっとやってみたら、みたいな。だから、俺の中でアサミサエ=晋平太みたいな変なイメージが付いちゃってて、アサミサエのヴァースの最後で「我々この世に生まれたmaster peace」って言うんですけど、これ、晋平太が言ってそうだなって思って。それがすげえよかったんですよね(笑)。

――(笑)。「ASTRO BOY」もそうだし、ヒップホップでいうと「MUSASHINO CITY(Chignon Classic ver.)」も原曲とは全然違う、オールドスクールヒップホップのテイストになっていて。かと思えば「YA! YA! YA!(Wack Trap ver.)」ではトラップビートだったり、どの曲もリズムやビートが絶対にWiennersでは鳴らないものになっていますよね。

ああ、リズムの実験っていうのはあるかもしれないです。やっぱり聞いてきた音楽で出し切れてないところが多すぎるっていうのがあるんですよね。めっちゃ聞いたらやりたくなるし、こうやってリミックスで試して、それがたぶんそのうちバンドに還元されてくる。そういう意味でまさに実験ですね。

――なるほどね。それにしても、このリミックスアルバムだけでも、めちゃくちゃいろいろな音楽のエッセンスが入ってるわけじゃないですか。そこまで貪欲に食い漁る、その根源というのは何なんですか?

なんなんですかね。単純に好きとしか言いようがないですけど……昔、DISK UNIONとかに通って、毎日CDを見ていて、でもお金がないから欲しいなと思っても全部買えないじゃないですか。俺は死ぬまでにどれぐらい、本当は自分が好きになるはずだった音楽と出会わずに死ぬんだろうってめちゃくちゃ思ってたんですよ。だからそれと出会わない恐怖心が強くて、そこへの探究心がものすごく強いものになってるんだと思います。とにかく出会っておきたいみたいな。

――でもそうやってガンガン出会っていったものを、実際にこうして作ってしまうところがすごいですよね。

俺、ちっちゃい頃から本当に面白いなと思ったものは、自分もできるようにならないと気がすまなかったんですよ。すごい覚えてるのが、ちっちゃい頃に水彩画の絵がすごい綺麗な絵本を買ってもらったんですよね。それはプロの人なんで、すごく上手な鳥とかが描いてあって。これと同じ絵を描きたいと思って、水彩絵具を買ってもらって描くんですけど、そりゃあ同じにはならないんですよ。でも同じにならないと気がすまないから、狂ったように泣いて。なんでできないんだよ!って。
それぐらい、自分がいいなって思ったものは「自分がやりたい」と直結しちゃうんですよね。

――その真似してできなくて泣いてる感じっていうのは今音楽やってる上でもあるんですか? さすがに泣きはしないだろうけど。

Photo:かい

泣きはしないですけど、自分のことよくぶん殴ってましたからね。「なんでできねえんだお前!」みたいな(笑)。5、6年前とかは、それで毎日イライラしてましたね。なんでこれができないんだみたいな、どこにぶつけていいかわからない怒りがあった。今はある程度、音楽の読解力がついてきたから、これはこう成り立ってるんだなみたいなのがわかって、できるようになってきたし、できないものはできないなっていう諦めみたいなものもわかってきたし。できないものをできないなりに取り込んで、自分のやり方でアウトプットするみたいなことも覚えてきたので今はわりと平穏に過ごしてますね(笑)。

――それはよかったです(笑)。2022年に入りましたけど、ここまでのところWiennersの調子はどうですか?

いやあもう、相当調子乗ってますね。もうこれいけるぞっていう。めちゃくちゃいい新曲がいっぱいできてるし、ライブもどんどん良くなってるし。マジで毎回見逃せないライブができてるなって自分たちも思ってるので、今が一番いい、完全に黄金期だっていうとこに来てるんで、もう今年売れなきゃ嘘だと思ってます。ここから先が楽しみだし、売れなかったらどうしようって感じですね。

――その充実感があるからこそこの「アナザーサイド」を出せるっていうのもあるんでしょうね。

Wienners

そうだと思います。余裕があるからできるんだと思う。しかもそれも、Wiennersとして音楽性の広さみたいなものをちゃんと見せるツールにもなるなって思ったし。まあ、バンド界隈でやるからこそ目立てることだとも思うんですけどね。普通にやったら当たり前のことだけど、でもそれってある種武器でもあるんで。そういう目立ち方っていうのはまだまだいっぱい持ってるし、今後もどんどんどんどんやっていきたいなって思いますね。

Text:小川智宏

<リリース情報>
Wienners リミックスアルバム『Wiemixes』

Now On Sale

Wienners『Wiemixes』ジャケット

【収録内容】
01. 恋のバングラビート(Spice Curry ver. ~feat. MC Maharaja~)
02. FACTION(Noisy Digital Orchestra ver.)
03. MUSASHINO CITY(Chignon Classic ver.)
04. 座頭市(Bankara ver.)
05. おおるないとじゃっぷせっしょん(Japanese vs Latinize ver.)
06. ANIMALS(Future Nature ver.)
07. ASTRO BOY(Black Hole ver.)
08. YA! YA! YA!(Wack Trap ver.)
09. シャングリラ(Ethnic Festival ver.)
10. Love2060%(Buddha’s Arpeggio ver.)
11. FAR EAST DISCO(Divinest African ver.)
12. 姫(Breakbeats & Thai Pop ver.)
13. GOD SAVE THE MUSIC(Motown Beat ver.)

『Wiemixes』全曲視聴トレーラー

詳細はこちら:
https://lit.link/wiemixes

<ライブ情報>
Wienners『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』

Wienners『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』告知画像

3月4日(金) 仙台Rensa
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト:ネクライトーキー

3月9日(水) 福岡BEAT STATION
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト:夜の本気ダンス

3月11日(金) 大阪Live House ANIMA
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト:忘れらんねえよ

3月17日(木) 恵比寿LIQUIDROOM
開場 18:30 / 開演 19:00
ゲスト:オメでたい頭でなにより

【チケット料金】
前売4,000円 / 当日4,500円(別途ドリンク代必要)

プロフィール

Wienners(読み:ウィーナーズ)

2008年に吉祥寺弁天通りにて結成。
メンバーは玉屋2060%(Vo/Gt)、アサミサエ(Vo/Key/Sampler)、∴560∵(Ba/Cho)、KOZO(Dr)。
予測不可能な展開、奇想天外かつキャッチーなメロディーに人懐っこい男女ツインボーカル絡み合う、類を見ない独自の音楽で、子供から大人まで聴くもの全ての喜・怒・哀・楽を電撃的にロックする銀河系パンクバンド。
2021年10月に「FACITON」(フジテレビ系TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』オープニング主題歌)を配信リリースし、東名阪ツアー『Welcome to the FACTION』を敢行。2022年3月に対バンツアー『BATTLE AND UNITY TOUR 2022』を開催する。



玉屋2060%(読み:たまやにせんろくじゅっぱーせんと)

“銀河系パンクバンド”Wienners のメンバー。ギターボーカル、作詞・作曲を担当。
でんぱ組.inc、神宿、FES☆TIVE、ゆるめるモ!、ナナヲアカリ、浦島坂田船などの多数アーティストに楽曲提供も行っている。
近年はアニメ、テレビ番組のテーマソング、CMソングなども勢力的に手掛けている。

関連リンク

Wienners 公式サイト:
https://wienners.net/

Wienners YouTube:
https://www.youtube.com/c/Wienners_ch

Wienners Twitter:
https://twitter.com/wienners_wns

玉屋2060% Twitter:
https://twitter.com/TAMAYA2060

Wienners Instagram:
https://www.instagram.com/wienners_official/

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