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巨大原石からハイジュエリーまで、時代を超えて人々を惹きつける宝石の魅力を紹介 『宝石 地球がうみだすキセキ』国立科学博物館にて開幕

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高さ2.5mの巨大なアメシストドーム 

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古代より地位を表すシンボルやときには呪術的な意味合いを持つものとして、そして現在では、宝飾品として幅広く親しまれる存在となっている宝石。2月19日(土)より、国立科学博物館で開催されている特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』は、時代を超えて人々の心を引きつける宝石について紐解く展覧会。原石からジュエリーまで、宝石のさまざまな姿を見ることができる。

同展は5章構成で科学、文化の両側面から宝石を紹介していく。第1章「原石の誕生」では宝石の原石が生まれる理由を紐解いていく。

宝石の原石は、大部分が地底深くで生まれる。マグマや高圧、高温など、地上では再現できない激しい環境のもと、多種多様な鉱物が生まれ、その一部が宝石の原石となる。本章では、火山から生まれたペリドットや、熱水脈近くで生まれるバイライトなど、原石の姿を展示し、その誕生のプロセスも紹介していく。

バイライト 鉱物名:黄鉄鋼 米国 カリフォルニア州産 群馬県立自然史博物館所蔵

そして、この章のみどころの一つが、ブラジルの溶岩台地から掘り出された高さ2.5mの巨大アメシストドームだ。その大きさはもちろん、細部の美しさも必見。ぜひ実物をその目で確認してみてほしい。

アメシストドーム(部分) 鉱物名:石英 ブラジル産 ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵

宝石は原石の形を整え、研磨することで美しさが引き出されていく。この加工工程全体は「カット」と呼ばれており、原石の大きさや品質に劣らないほど宝石の評価を左右するものだ。第2章「原石から宝石へ」では、このカットについて紹介していく。

宝石のカットスタイルは数十万を超えるパターンがあると言われている。けれども、ベースになっているのは7種類のみ。どの宝石も、この7種類のカットが基本となっている。

代表的な7種類のカットスタイル 諏訪貿易所蔵
ダイヤモンドのカット工程

本章では、宝石のさまざまなカットの種類や技法を紹介するほか、国立西洋美術館から特別出品されている「橋本コレクション」200点の指輪を時代順に展示し、宝石のカットの変遷をたどっていく。

「橋本コレクション」の一部 国立西洋美術館蔵

第3章「宝石の特性と多様性」では、ダイヤモンドやサファイヤ、ルビーなど古来から知られている宝石から、フォスフォフィライトやスフェーンなど近年注目が集まる宝石まで200種類を超える宝石を展示する。

展示風景より さまざまなトルコ石
展示風景より 巨大宝石

また、本章では、小部屋を設置しソーダライトやルビー、カルサイト(方解石)など、紫外線を当てると発光する宝石を展示。暗闇で光る様子を目の当たりにできる。

展示風景より 普通の石に見えるものの……
展示風景より ブラックライト(紫外線)をあてると輝き出す宝石

そして、いよいよ展示はジュエリーの世界へ。第4章「ジュエリーの技工」では、宝石を貴金属に取り付ける「仕立て」の技術を主に紹介する。美しくカットされた宝石は、その美しさを引き立てるため、ゴールドやプラチナなどの台座、そしてその台座に固定させるための技術が必要不可欠。これらのプロセスは宝石のカットと同様、たゆまず進化を続けている。

本章ではパリに本拠地を構えるヴァン クリフ&アーペルや、芦屋のジュエリーブランド、ギメルのコレクションなどが紹介される。

ネックレス ヴァン・クリフ&アーペル所蔵
ダイヤモンドネックレス、向日葵 ブローチ(2点) ギメルトレーディング所蔵

そして、第5章「宝石の極み」では、これまでの章を踏まえ、より美しく輝く宝石を紹介する。

本章では世界的な宝飾芸術コレクターとして知られている有川一三のコレクションから、古代メソポタミア時代から最先端のジュエリーまでさまざまな宝飾品が展示される。

英国王ジョージ5世第1王女にしてハーウッド伯爵夫人メアリー旧蔵ゴールドの寝せセール 1825年頃 個人蔵 協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティチュート
50's ブルガリ サファイアとルビーのムガール・スタイルのネックレス 1950年頃 アルビオン アート・コレクション所蔵
手前:アール・デコ ラウロッシュサウ マルチジェムのエジプシャン・ブレスレッド
左:アール・ヌーヴォー フーケ&ミュシャ作 コルサージュ・オーナメント 1900年頃 フランス 個人蔵 協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティチュート
右:アール・ヌーヴォー ブシュロン作 ダイヤモンドとブリカジュール・エナメルの蝉のブローチ 1895年頃 フランス 個人蔵 協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティチュート

まばゆいジュエリーは、細部まで工夫を凝らされているものばかり。どの作品も小さいため、職人の細やかな細工仕事を確認したい場合は、拡大してジュエリーを見られる単眼鏡などを持参するのもおすすめだ。

構成・文:浦島茂世

【開催情報】
特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』
2月19日(土)~6月19日(日)、国立科学博物館にて開催
https://hoseki-ten.jp/

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