世界&佐藤大樹&澤本夏輝が考えるそれぞれの役割「僕は基地にいる人です(笑)」
音楽
インタビュー
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左から澤本夏輝、佐藤大樹、世界 (撮影:奥田耕平)
続きを読むFANTASTICS from EXILE TRIBEの2022年第1弾シングル『サンタモニカ・ロリポップ』は、今、世界中を席巻するシティポップに挑戦。カリフォルニア サンタモニカビーチの涼やかな風を感じさせるサウンドに、ちょっと刺激的な夏のアバンチュールを歌った大人のチューンだ。
新曲を発表するたびにその世界観を拡張し続けるFANTASTICSだが、今回はどんな顔を見せてくれるのか。楽曲の魅力やパフォーマンスの見どころを、世界、佐藤大樹、澤本夏輝の3人に語ってもらった。
『サンタモニカ・ロリポップ』は聴くだけで自然と体が動く曲
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――『サンタモニカ・ロリポップ』を初めて聴いたときの感想を教えてください。
世界 あんまりLDHにはないテイストの曲調だなと。HIROさん含め、プロデューサー陣のファンタをこうしたいという想いを強く感じた曲でした。『High Fever』の頃からファンタは80年代サウンドを取り入れた楽曲にトライし続けているんですけど、今回もシティポップということでその流れを汲む1曲でありながら、曲自体は今っぽい、ネオファンク調になっているところがポイントですね。
澤本 もともとシティポップ系の曲が好きで。自主練のときも、こういうタイプの曲でよく踊っていたんですよ。だから、『サンタモニカ・ロリポップ』は聴くだけで自然と体が動くというか。きっと若い世代にとっては耳馴染みのある曲だと思うし、爽やかなんだけど、その中に哀愁漂う感じがちょっと入り混じっているところが好きです。
佐藤 そうなんですよ。ただ爽やかなだけじゃなくて、僕はお洒落でクールな曲だなと思いました。歌詞もわりと艶っぽいフレーズが散りばめられていて、曲の感じと歌詞のギャップも魅力かなと。作詞はよくファンタの歌詞を書いてくださる小竹正人さん。小竹さんの歌詞はこのワードにどんな意味が込められているんだろうと思うことが多いんですけど、聴けば聴くほどすごく奥深い。横文字と日本語の組み合わせ方も面白いし、ついつい意味が気になって何度も聴きたくなる“小竹さんマジック”がこの曲にもかけられているなと思いました。
世界 ファンタの曲の中でも今回は結構甘い歌詞になっていて。振り付けを考えるときも、この歌詞に引っ張られすぎるとちょっと可愛い感じになりすぎるかなと思ったんですよ。なので、あえてそこはギャップを狙って、振りはお洒落に。クールに余裕をもって踊れる振りにしました。
澤本 世界さんはいつもファンタの表現の幅を広げてくれるような振りをつけてくれるので、踊っていて楽しいし燃えるんですよ。今回の見どころはサビですね。ただ歩いているように見えて、メンバーが全員同じ方向に綺麗に動いていく。その流れるような感じが好きです。あとはBメロも今までのファンタにないような構成になっているので、ぜひ注目してください!
佐藤 最初に振りをつけてもらったときから、みんなで「踊りやす!」って言ってたよね。今回はバキバキに気合いを入れて揃えるっていう感じじゃなくて、合わせるところは合わせつつ、自由に踊るところは自由にというメリハリの効いた振りになっているんですよ。僕はもうAメロから気持ちよく踊っています(笑)。
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寒さを感じさせない表情管理がプロフェッショナルだなと(笑)
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――MVは「FANTASTIC CLUB HOUSE」をテーマに、お洒落で大人っぽい世界観になっているそうで。ぜひ撮影の裏側を教えてください。
世界 めちゃくちゃ寒かった!(笑)
佐藤 マジで第一声はみんなそれだと思います(笑)。
世界 撮影は12月だったんですが、本当に寒くて。観てわかる通り衣装も薄着なんですよ。最初は天気もいいし、あたたかいな〜と言ってたら、夜になればなるほど鬼のように寒くなって…。それを感じさせない表情管理がプロフェッショナルだなとみんなを見て思いました(笑)。
澤本 夜はヤバかったね。
佐藤 寒かったね。
澤本 深夜の2~3時くらいでしたっけ? 気温はマイナス?
世界 マイナス16度。
佐藤 盛りすぎです(笑)。
澤本 鼻水凍っちゃう(笑)。でも本当それくらい寒かった。体が動かないんですよ。踊る直前に自分たちでアップして、体をあたためてから本番に挑んでました。
世界 あと昼は、それぞれペアに分かれて撮影してたんで、他のペアが何をやっているのかは全然知らなくて。完成したMVを観て、あ、こんなことやってたんだって知りました。
佐藤 ペア同士で踊るって、ライブではやったりするんですけど、MVではあんまりなくて。しかも今回は結構新鮮な組み合わせが多くて楽しかったですよね。
澤本 僕は世界さんとペアで。昼の12時くらいに僕らのパートの撮影が終わって、そこから夜の8時くらいまで時間が空いたから、2人でしゃぼん玉で遊んでました(笑)。
佐藤 僕は(木村)慧人とペアで。空き時間に、世界さんからうまい海鮮屋が近くにあるって教えてもらって行ったら、もう閉まってました(笑)。
「サンタモニカ・ロリポップ」MV
――カップリングの『Turn to You』は、佐藤大樹さん主演のドラマ『liar』の主題歌です。
佐藤 作詞作曲の草野華余子さんが台本を読み込んだ上で曲をつくってくださって。僕たちとしても久々のバラードなんですが、ドラマにぴったりの曲に仕上がったなと思います。本音が言えない一途な愛を男性目線で描いた曲で、ドラマの内容は複雑でドロドロしていますが、エンディングでこの曲がかかることによってほっこり終われるなと。
世界 草野さんに前回つくっていただいたのがダンス調の激しい曲で、今回はバラード。曲調は全然違いますが、芯にしっかりした強さがあって、草野さんすげえやと思いました。しかも草野さんからLINEをいただきまして。それが、「気合いを入れてつくったので、振り付け、すっごい楽しみにしています!」というハードル高めのやつで。「あ、僕がつくるテイなのかな…?」と(笑)。最近、バラードはやってこなかったので、今回は澤夏(澤本)と一緒につくりたいと思います!
澤本 お、いいっすね。やります!
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僕はファンタの中では“お母さん”です
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――では、そんなお三方に最後に質問です。みなさん、グループで一緒に何かをやったりつくったりすることが多いと思うのですが、ファンのみなさんも学校や会社などチームで何かをすることがあると思うんですね。なので、チームで仕事をするときにみなさんが意識していることを教えてください。
世界 干渉しすぎないことですね。この間、ラルク(L'Arc-en-Ciel)さんと『ミュージックステーション』でご一緒したときに、ラルクさんが30年続いている秘訣はなんですかという質問に「干渉しすぎないこと」っておっしゃってたんですよ。それを聞いて確かになと。たとえば、仕事のプロジェクトとか、文化祭で出し物をするとか、そういう期間限定のものだったらめちゃめちゃ干渉してもいいかもしれないけど、グループのように長く続けるものの場合、踏み込みすぎると言えなくなることも出てくる。適度な距離感は大事なのかなと思いますね。
澤本 その上で、グループの和を大切にすること。やっぱりグループって自分だけのものじゃないので。自分勝手な行動で和を乱さないというのは、団体で何かをやっていく上では必須条件ですよね。
佐藤 あとはやっぱり役割分担かなと思います。自分はここが得意だから、グループの中ではこういう役割をやろうみたいなことをみんなで話し合うことが大事。それはファンタでも大切にしていますね。
――みなさんはそれぞれどんな役割なんですか。
佐藤 僕は“お母さん”です(笑)。メンバーの面倒を見つつ、グループでコメントしなきゃいけないときは自分が発言したりとか。あとは広報も! ファンのみなさんに知ってほしいことはまめに発信するようにしています。
澤本 僕は振り作りと、あと世界さんが放任主義なので(笑)、自分がまとめた方がいいなと思ったときは「これ、どうっすかね?」って聞いたりしています。
世界 で、僕が野球で言ったら監督です。
佐藤 ビッグボスですね(笑)。
世界 スーパー戦隊だったら、みんながなんとかレンジャーで、僕が基地にいる人(笑)。
澤本 戦わないんですね(笑)。
世界 戦わない! 基地で状況把握と対策を考える役割です(笑)。
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撮影 / 奥田耕平、取材・文 / 横川良明