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【ライブレポート】Bialystocks 第一弾となる自主企画『音楽交流紀』を渋谷WWWで開催

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『Bialystocks Live 2022 “音楽交流紀1”』5月7日 東京・渋谷WWW Photo:SHUHEI.W

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映画作家でもある甫木元空(Vo / Gt)、ジャズ・シーンを中心に様々なアーティストのサポートなどでも活躍している菊池剛(Key)による2人組バンドBialystocks(ビアリストックス)が5月7日(土) 、東京・渋谷WWWで自主企画ライブ『Bialystocks Live 2022 “音楽交流紀1”』を開催した。ゲストは、“シティフォークバンド”を掲げるグソクムズ。普遍性と新しさを共存させた、現在進行形のポップミュージックを体感できる意義深いイベントとなった。

グソクムズ

まずはグソクムズ。たなかえいぞを(Vo/Gt)、加藤祐樹(Gt)、堀部祐介(Ba)、中島雄士(Ds)による、東京・吉祥寺発の4ピースバンドだ。最初の「街に溶けて」は、叙情的なサイケデリアと称したくなるミディアムチューン。続く「すべからく通り雨」は、心地よいバンドグルーヴとともに、切なさと爽やかさが混ざり合うグッドメロディが響くナンバー。人間らしい揺れを感じさせる演奏、歌メロを際立たせるコーラス、飾り気がないMCも気持ちいい。

たなかえいぞを(Vo/Gt)
堀部祐介(Ba)

ライブ中盤では、新曲「夏が薫る」を披露。洗練されたコード進行、スラップベースを取り入れたリズムアレンジによって観客が身体を揺らした「夏の知らせ」、ラストの「朝陽に染まる」のエンディングにおけるメロディアスなギターソロまで、オーセンティックなポップスをたっぷりと体感できる魅力的なステージだった。はっぴいえんど、シュガー・ベイブといった先人たちの影響を現代のポップミュージックに導くセンスは、もっと注目されるべきだろう。

加藤祐樹(Gt)
中島雄士(Ds)

続いてはBialystocksのアクトへ。転換中のBGMは、古き良き映画のサウンドトラック。“甫木元が監督した映画『はるねこ』(2016年)の劇中音楽を生演奏するイベントをきっかけに活動がスタートした”という彼ららしい選曲によって、会場(もともとはミニシアターだった渋谷WWW)はどこかリラックスした雰囲気に包まれていた。

Bialystocks

ステージに上がったのは、ギター&ボーカルの甫木元、鍵盤の菊池のほか、サポートの朝田拓馬(Gt)、越智俊介(Ba)、小山田和正(Ds)、コーラスの佐々木詩織、オオノリュータロー。いずれもジャズやブラックミュージックを中心に、幅広いジャンルで活躍しているミュージシャンだ。

甫木元(Vo / Gt)

《I don’t wanna love you, my baby》と甫木元がソウルフルに歌い上げ、「Nevermore」からライブはスタート。ドラムとベースだけのゆったりしたグルーヴから始まり、徐々に疾走感を増していくバンドサウンド、ジャズ、ギターポップ、R&Bなどが混ざり合うアレンジによって、創造的な音楽空間が立ち上がる。エンディングに向かうにつれて感情を高ぶらせるボーカルを含め、最高にエモーショナルなオープニングだ。

菊池剛(Key)

メロウ&スイートな旋律と《悲しい事も嬉しい事も束ねて 飾ってゆけるなら》というラインが響き合った「花束」を披露し、甫木元が「“音楽交流紀”と名付けましたが、音楽に限らず、この場に来てもらった人たちが何か少しでも持って帰ってもらえるものがあればいいなと思って。楽しんでください」と挨拶。この後はMCを挟まず、楽曲をつなげながらBialystocksの世界を描き出していく。

ソウルミュージック、ファンク、ジャズの要素が有機的に絡み合い、《東西南北 右も左も I don‘t care / すくなくとも もぎたて一つ》という歌詞――まるで二人の音楽的なスタンスを示唆するような――「コーラ・バナナ・ミュージック」、女性の言葉による歌詞と郷愁を誘うメロディを軸にしたソウル・ジャズ・バラード「またたき」、さらに最新EP『Tide Pool』から、ディープなR&B的なグルーヴ、オーセンティックなジャズピアノが共鳴する「All Too Soon」へ。時代やジャンルを自由に行き来する音楽性、まさに映画のワンシーンのような歌詞、緻密にして斬新なアンサンブル。楽曲を連ねるたびにこのグループの音楽的なレイヤーが深まり、知的好奇心と身体的な快楽が同時に湧き上がる。コンセプト先行ではなく、メンバー、ミュージシャンの息づかいや体温が感じられる演奏にも強く惹きつけられた。

個人的にもっとも印象的だったのは、「I Don’t Have a Pen」。クラシックの印象派を想起させるピアノと起伏に富んだボーカルラインから始まり、プログレッシブに展開していくこの曲は、ライブという場所で再構築されることでスリリングの度合いを上げていた。断片的なイメージをカットアップした歌詞も、刺激的なイマジネーションを増幅。ハンドマイクで生々しい感情を込めた歌を響かせる甫木元のパフォーマンスにも惹きつけられた。

ラスト2曲となったところで甫木元は観客に語り掛けた。
「渋谷のユーロスペースという映画館で、自分が作った映画(『はるねこ』)を初めてかけてもらって。その映画が縁でこのバンドが出来て、渋谷の由緒ある場所で演奏できるのは不思議な気持ちです。」「その映画をプロデュースした青山真治という監督がいて。その人がいたから、我々もいられるというか。過ぎ去った人たちに、あまりしんみりせずに、感謝の気持ちを込めて、あと2曲歌えたらなと思っています。」
今年3月に逝去した青山真治監督への思いを話した後、《明日は君と同じで 別れと共に過ぎていく》と歌う「光のあと」、《さよなら また会う日まで 目を閉じてみる 歌ってみる》というラインが滲む「夜よ」を演奏。美しく、豊かな感動とともに本編は終了した。

アンコールを求める拍手に導かれ、甫木元と菊池が再びステージに登場。バンドメンバーを呼び込み、最新シングル「差し色」を鮮やかな音響とともに披露し、イベントはエンディングを迎えた。

7月9日(土) には、同じく渋谷WWWで“音楽交流紀2”(ゲスト:優河 with魔法バンド)の開催も決定。活動の規模が大きくなるにつれ、Bialystocksの表現はさらに広がるはず。この先、彼らが見せてくれるだろう美しいサウンドスケープを心待ちにしていたい。

Text:森朋之 Photo:SHUHEI.W

<公演情報>
Bialystocks Live 2022 “音楽交流紀1”

5月7日(土) 東京・渋谷WWW

セットリスト

■グソクムズ
01. 街に溶けて
02. すべからく通り雨
03. 駆け出したら夢の中
04. 夏が薫る
05. 夢が覚めたなら
06. 濡らした靴にイカす通り
07. 夏の知らせ
08. グッドナイト
09. 朝陽に染まる

■Bialystocks
01. Nevermore
02. 花束
03. コーラ・バナナ・ミュージック
04. またたき
05. All Too Soon
06. Emptyman
07. Winter
08. I Don't Have a Pen
09. Over Now
10. 光のあと
11. 夜よ
EN1. 差し色

<リリース情報>
Bialystocks「差し色」

Now On Sale

Bialystocks「差し色」ジャケット

配信リンク:
https://lnk.to/sashiiro

Bialystocks「差し色」MV

<ライブ情報>
Bialystocks Live 2022 “音楽交流紀2”

7月9日(土) 東京・渋谷WWW
開場17:15 / 開演18:00
出演:Bialystocks
ゲスト:優河 with 魔法バンド

チケット料金:4,000円(入場時ドリンク代別途要)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2208202

関連リンク

オフィシャルサイト:
https://bialystocks.com/

YouTube:
https://www.youtube.com/c/Bialystocks

Twitter:
https://twitter.com/bialymusic

Instagram:
https://www.instagram.com/bialystocks/

Facebook:
https://www.facebook.com/profile.php?id=100030630082371

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