鈴木拡樹・小林亮太 初共演で受けた刺激「日々面白くなってきている」
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インタビュー
左から小林亮太、鈴木拡樹
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すべて見る「舞台『⼑剣乱舞』シリーズ」三⽇⽉宗近役や「『バクマン。』THE STAGE」真城最⾼役など2.5次元の舞台で絶⼤な⼈気を誇る実力派俳優・鈴⽊拡樹さんと、舞台『⻤滅の刃』の主⼈公・竃⾨炭治郎役や「『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra”Stage」の爆豪勝⼰役など⼈気作品の2.5次元舞台に多数出演する注⽬の若⼿俳優・⼩林亮太さんが初共演!
映画・舞台連動プロジェクト【東映ムビ×ステ】で製作された人気作『死神遣いの事件帖』の続編、『死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-』(2022年6⽉上演)&映画『死神遣いの事件帖 -⽉花奇譚-』(2022 年冬公開予定)に出演するお2人のインタビューをお届けします。
初共演を経てのお互いの印象から今作の役づくりや自身の演じるキャラクターについて、『死神遣いの事件帖』のお話をたっぷり聞いてきました!
小林「刀を持った時の拡樹さんがすごく好き!」
――お2人は今作が初共演とのこと。ご一緒されてみて、お互いにどのような印象を抱きましたか?
鈴木拡樹(以下、鈴木) 好青年なだけじゃなくて、すごく熱い。ストイックとはよく言われていると思うんですけど、一緒に稽古をしていると「周りを巻き込むタイプの熱量を持っている人だな」と思います。とても良い刺激を受けています。
小林亮太(以下、小林) ありがとうございます……! 僕は、以前から「拡樹さんは仏だ」と伺っていて(笑)。
鈴木 あはは(笑)。
小林 僕自身、舞台上の拡樹さんは何度も拝見していたので、今回こうやって共演させていただくことが叶ってすごく嬉しいというのが大前提にあります。そんな中でいざお会いしてみたら、どの方にも分け隔てなく丁寧に接していて。本当に仏のような方だなと。あと個人的に、稽古場で刀を持った時の拡樹さんがすごく好きなんですよ! いろんな現場を踏まれているからこそ、刀を手に握った時の他の人が持ち得ない雰囲気を感じるというか……すごく呆然と見ちゃう時があります(笑)。本当に日々、楽しく一緒にやらせていただいています!
鈴木 照れますね(笑)。
――現在(インタビュー時)は、絶賛舞台稽古中なんですよね。
鈴木 はい。今のところはすごくスムーズに進んでいて、ミザンス(役者の立ち位置)も3日でつけ終わりました。思わず早っ!と思うほど。スムーズなのは良いことなのですが、ちょっと焦る自分もいます(笑)。すでに各々が役を膨らます作業まで来ているので、今はどんどん面白くなってきていますね。
小林 演出家の毛利(亘宏)さんが役者一人ひとりにオーダーを出されるのですが、役者の返しに対して毛利さんご自身が一番笑っていらっしゃるんですよ(笑)。そうやって楽しんで見てくださると嬉しい気持ちになりますし、トライしがいがあると感じています。とにかくいろいろやってみて、科学反応を試している感じで。いい意味で一つひとつ違う反応・表現が生まれているのを感じて楽しいですね。
鈴木「舞台と映画、演出家と監督二人の色がはっきり分かれている」
――お二人は舞台『死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-』、映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』の2作品にご出演されるそうですが、舞台と映画で演じ方に違いはあるのでしょうか?
鈴木 たしかに役づくりの心構えは違うかもしれません。というのも、舞台演出家の毛利さんと映画監督の柴﨑(貴行)さん、二人の色がはっきり分かれているなと思っていて。柴﨑監督はファンタジーの世界観でありながら、リアルな人の呼吸やテンポにすごくこだわりを持って撮影されます。ゆっくりとした日常を撮り、それを編集してファンタジーに落とし込んでいくような。僕は前作(『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』)から関わらせていただいているので、今回も柴﨑監督のやり方に寄り添った役づくりをしていた気がします。一方、舞台は編集ができません。そういう意味では舞台と映画でスピード感が全く異なると思っていて。演出家も役者もそれぞれが同じビジョン(完成形)を描いて自己編集していくイメージです。だからこそ、独特のテンポが生まれたり、高揚感に繋がったりするんですよね。
小林 今作は映画を先に撮影した後での舞台なんです。とはいえ、みなさんにお見せする順番は舞台が先。キャラクター同士の関係性が深く掘り下げられるのは舞台の方だから、映画では正直あまり関係性が分からないまま撮影をしました。いざ撮影に臨んでみると、割と長めのシーンなのに1回ドライ(カメラ無しのリハーサル)をやっただけで撮影を始めたんですよ。
鈴木 あったね。
小林 舞台だと何回も稽古を重ねて「どの表現がいいかな?」「どれが面白いかな?」と時間をかけて準備ができるのですが、映像はそれがないので実践力・対応力が試される。ある程度自分の使える弾を何弾か準備しておいて、的確に撃てる数だけ撃って、当たった弾を本番で使うようなイメージでしたね。同じシリーズの作品だけど舞台と映画ではリーダー(演出家・監督)も違えば、時間軸もご一緒するスタッフ・キャストさんも違うので、それがすごく新鮮で面白かったです。
鈴木「幻士郎を演じる時は解放感があって気持ちがいい」
――鈴木さんは『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』に引き続き、江⼾で探偵業を営む死神遣い・久坂幻士郎を演じられます。これまで演じてこられて、幻士郎というキャラクターのどういったところに魅力を感じますか?
鈴木 「ちゃらんぽらんなところ」は一番分かりやすい魅力だと思います。人としてダメな部分が愛くるしいというか……(笑)。でも仕事モードになると頭が切れる瞬間もあって、そういうコントラストがカッコいいキャラクターでもありますよね。
――演じられる上ではそのコントラストを意識するのでしょうか?
鈴木 ほかの作品ではそういうバランスの割合を考えたりはしますけど、こと幻士郎に関してはそこまで実は考えていなくて。ほぼほぼちゃらんぽらんなので、カッコよくキメられるところが少ないんですよ(笑)。
小林 ははは(笑)。
鈴木 基本ちゃらんぽらんでカッコいい部分が少ないからこそ、割合を僕が考えなくてもキメたら映えるんですよね。
――鈴木さんはとてもストイックだと耳にすることが多いのですが、「ちゃらんぽらん」なキャラクターってすごく真逆の印象がありまして……。
鈴木 あはは。抜けているタイプではあるので、普段ちゃらんぽらんにならないように頑張らないと!と心構えをしているんですよ(笑)。だからこそ、幻士郎のように自由な人を演じる時は自分の心構えを解き放つことができるので、解放感があって気持ちいいです。
小林「ここまで遊べるキャラクターは初めて」
――今作初登場の死神・亞門について、小林さん的に最初の印象と演じてみての印象に何か違いはありましたか?
小林 一人称は「俺っち」、口調は「〇〇っす」ですし、性格は明朗快活で好奇心旺盛。台本を読んだ時は遊べる部分が多いキャラクターだなと思いました。ここまで遊べるところのあるキャラクターは初めてなんです。演じる上では日々勉強だし刺激をもらっているのですが、僕も拡樹さんと同じで亞門を演じていてすごく気持ちいいなと感じます。僕自身、胸の内を口に出して伝えることが苦手なのですが、亞門は自分の思いをストレートに出せるので。
――亞門の役づくりはどのようにしていったのでしょう。
小林 前情報が「亞門」という名前と死神であることしか分かっていなかったので、どういう死神像がいいかなと自分でも考えてみようと。その時にネットで「アモン」と調べたんですよ。そしたらオオカミに蛇のしっぽがついた姿かたちの火を噴く「アモン」という悪魔が出てきて。それをヒントにオオカミっぽいイメージで、懐く時は懐くし吠える時は吠えるイメージで役づくりを進めていきました。とはいえ、拡樹さんのように型が決まっている状態ではないので、まだ地に足がついていないなと自分では思っています。
――鈴木さんから見て、小林さん演じる亞門はいかがですか?
鈴木 すごくパワフルですね。いつも一緒にいた死神(十蘭、演:安井謙太郎)は比較的おとなしいタイプだったので。ツンツンしているから、おとなしいというほどのかわいさはないですけど(笑)。そういう意味でも十蘭に比べると亞門の方が幻士郎の性格に近いタイプなのかなと思います。長く一緒にいたからこそ安心感のある十蘭と、そりの合う亞門。いい死神に恵まれているなと思いますね。
小林 ふふふ。
「探偵」「死神遣い」「死神」のどれかになるなら?
――今作にちなんでの質問です。「探偵」「死神遣い」「死神」のどれになるか決めなければいけない状況に陥った時、何を選択しますか?
小林 人狼ゲームみたいな質問ですね(笑)。
鈴木 (小林さんに向かって)どうですか?
小林 僕は「死神」ですかね。死神は大抵の人から見えなかったり物に触れなかったりする不便なルールがあるんですよ。でもそれを逆手にとれば、「この人何を考えているんだろう?」と覗きに行けたりするじゃないですか。
鈴木 たしかにね。
小林 一線を踏み込んでしまうと良くない事態に発展する可能性もありますけど(笑)、僕は人の観察が好きなので人を観察できるという点で死神的な立ち位置にいられるのは面白いかもって思います。
――拡樹さんはいかがですか?
鈴木 僕は「探偵」一択ですね。
小林 おぉ~。
鈴木 「探偵」「死神」「死神遣い」……普通に稼げるのは探偵だけ。
小林 あははは!(笑)
鈴木 もちろん大変だとは思いますけどね。張り込みとか、聞き込みとか、事件に巻き込まれる可能性もありますので(笑)。
――とても現実的(笑)。ありがとうございます! では最後に、今作の見どころや意気込みをお聞かせください。
鈴木 みなさんの応援のおかげで、続編という形で新たに舞台・映画の2作品をやらせていただけることになりました。まずはこれに感謝しなければと思います。そして、続編となるからには前作よりパワーアップする必要があります。今作はストーリーや演出はもちろんパワーアップしているのですが、キャラクターたちの成長した姿も見せられるなと感じるほど、一人ひとりの成長が描かれています。幻士郎は舞台で成長が描かれた後での映画ですし、十蘭は前回の舞台から成長して戻ってくる。舞台版ではどう成長するのかを楽しんでいただき、映画版では成長した二人が出会うところを楽しみにしていただきたいです。
小林 「時代劇×ファンタジー」作品というだけにいろんな要素が含まれていて、観に来てくださった方たちは驚かれるかもしれません。物語の大きな軸には「ミステリー」もあるのですが、僕自身も台本を読んでいて、伏線を紐解いていく感覚があり、すごく楽しかったんですよ。なので、幻士郎や亞門と同じ目線でぜひミステリーを楽しんでいただきたいです。また、みなさんの日常の中と重なるようなテーマもこの作品にはあると思います。とにかく難しいことを考えずに(笑)! ぜひ楽しく観に来ていただければ嬉しいです。
取材・文=阿部裕華
撮影=奥田耕平
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