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ミュージカル『ピーター・パン』歌唱披露&会見レポート「私が子供でいていいと思える場所はここなんだ」

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インタビュー

ぴあ

ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』製作発表より

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1981年、榊原郁恵が初代ピーター・パンとしてスタートしてから、今年で42年目になるミュージカル『ピーター・パン』。2021年からは森 新太郎演出によりリニューアル。親しみやすく、どこか懐かしさを感じる演劇的な表現が好評だった。そして今回、2017年、10代目ピーター・パンとしてデビューした吉柳咲良がファイナルを迎える。

会見では、まずピーター・パンとウェンディ(岡部 麟(AKB48))による〈ネバーランド〉〈飛んでる〉のメドレーが披露された。〈ネバーランド〉では吉柳ピーターの伸びやかで透き通るような歌声がまさに純粋無垢なピーターそのもの。私たちを子供の世界に誘ってくれた。〈飛んでる〉は一転して、やんちゃで生命力と躍動感に溢れたピーターだ。そのピーターに夢中になるウェンディのかわいいこと!一緒に飛ぼうとして飛べない感じがキュートだ。溌剌と空を飛ぶピーターたちの姿を思い出して、ウキウキしてしまう。今夏も、ピーターたちがネバーランドに連れて行ってくれる!ああ、もうすぐ夏が来るなぁ!と、現実を忘れて浸り切った。

吉柳咲良

カラフルな衣裳姿のメインキャストが揃い、 演出の森 新太郎が語った。

森 新太郎

「昨年初めてこの作品に挑むにあたり、40年にわたる記録映像を拝見しました。そこで私の心を奪ったのは初代ピーターの榊原郁恵さんでした。生き生きとして無邪気で。昨年の稽古中は吉柳咲良に、「郁恵さんみたいにやれ!」「郁恵さんを目指せ!」と何度も言い続けた記憶があります。その結果、吉柳咲良は私の想像をはるかに超えて、自由奔放で勝手気まま、生きる喜びに満ち溢れたピーター・パンを作り上げてくれました。今年はあえて吉柳に「郁恵さんを越えろ」と言いたいです。今年で最後になるのは私にとって本当に寂しいことですが、吉柳はこれまで以上に軽やかに力強く、我々をネバーランドに連れて行ってくれることでしょう。全ての歌と踊り、演出的な遊びも昨年より確実にグレードアップしておりますので心弾ませて劇場にお越しください。お待ちしております」

それを聞いて、吉柳咲良は「(森から)こんなに褒めていただけると思ってなかったのでびっくりしていますが、 最後はプレッシャーをかけていただきました(笑)。自分では今年が最後という感じがしなくて、でもどこかで集大成だと思う部分もあり、ふわふわした気持ちで稽古に入ったらすごく楽しい。私が子供でいていいと思える場所はここなんだと再認識しました。誰よりも全力で楽しんで、ピーター・パンを精一杯演じようと思います」。

続いて、 他のメインキャストたちが語った。

各メインキャストのコメント

小西遼生

フック船長役 小西遼生 「去年から参加していますが、(コロナ禍で)制約の多い時期で、僕らキャストも色々なことを乗り越えてきました。特に嬉しかったのが、子供たちの声援や拍手。例えば知り合いの先輩役者さんがお子さん連れで観てくださって、そのお子さんは初めての観劇体験とのこと。大切な瞬間を共にしていると実感しました。僕らが演じるものを本当の世界だと思って観てくださる方々がたくさんいる作品。今年は去年以上にキラキラした世界をお見せしたい。そして咲良が演じる最後のピーターを、僕らも精一杯彩れるように頑張りたいです」

岡部 麟(AKB48)

ウェンディ役 岡部 麟(AKB48) 「初めてネバーランドに飛んで行きます。『ピーター・パン』に私も仲間入りできてとても光栄です。いろんな方が観にいらっしゃるでしょうが、特にお子さんが何十年後かに「昔、『ピーター・パン』を見たなぁ。ウェンディがかわいかったな」って思い返してくれたら。そんなウェンディになれるように頑張ります。咲良ちゃんピーターの歌声が透き通るように美しく、毎晩、録音した咲良ちゃんの歌を聴きながら眠りについています。そのくらい大好きです!」

田野優花

タイガー・リリー役 田野優花 「今回、初参加となります。私の大先輩でもあり、大好きな宮澤佐江さんがやられていた役。リスペクトしつつ、佐江さんを超えたいです。身長はちっちゃくなりましたけど、パワーは出せると思うので頑張ります。アクションには自信があったのですが、森さんがスパルタすぎて(笑)。1曲やるだけでしんどいナンバーを3回連続でやって、立てなくなりました」。それを聞いた森が「ちょっと反省しています」と言うと、「でも体力がつくので、こちらはありがたいです」とやる気たっぷりなところを見せた。

壮 一帆

ダーリング夫人 壮 一帆 「幼い頃から観てきた大好きなピーター・パンの世界、そして歴史ある舞台に初めて立たせていただきます。次に繋げなければいけない責任感と、それを上回るワクワク感でいっぱいです。森さんの演出はしつこいと役者仲間さんから聞いていましたが、本当に嬉しいぐらいのしつこさ(笑)。ありがたく喜んでやらせていただいています。咲良ちゃんを筆頭に若い方たちが多いので若者に負けないように、また3人の可愛い子供たちを愛して、素敵なお母さんを演じたいです。またダチョウ役もやるのですが、思っていた以上に出番も台詞も多いです。観に来てくださった方の心に残るようにダチョウも演じたいです」

幼い頃の『ピーター・パン』にまつわる思い出を聞かれて、

吉柳 「13歳まで物語すら知らず、初めてこのお仕事をした時に『ピーター・パン』を観ました。だから私にとって『ピーター・パン』は観るものというより、演じるもの。出会えてよかったです」

小西 「僕は空を飛ぶものに憧れがあって、フック船長が空を飛べないのはなんで?と思っているくらい(笑)。子供の頃からディズニーランドの『ピーター・パン』の乗り物も好きですし、空を飛ぶピーターに憧れています。その意味ではピーターは僕の憧れの存在です」

岡部 「私は茨城県出身。茨城にはアニメを全編流してくれるおもちゃ屋さんが多く、そこで『ピーター・パン』を観て以来、大人になるまで観たことがなかったんです。なので、ピーターとフック船長は2人ともウェンディのことが好きで、それで喧嘩していると勘違いしてて。台本を読んで、フック船長はウェンディが好きなわけじゃないんだとショックを受けました(笑)。ピーターも、まさかウェンディにお母さんになって欲しかったなんて」

田野 「この質問が来ないと私、一生話すことがないと思っていたエピソードがあります。幼少期に海外で実写化された『ピーター・パン』の映像を観て、そのピーターに恋して届くはずのない手紙を書き、ずっと勉強机の中にしまっていました。顔がかっこよかったんですよ(笑)」

 「小さい頃にVHSで『ピーター・パン』のアニメをヘビロテしていました。初恋の人といっても過言ではないくらい、ピーターが好きでしたね。そんな大ファンだったらティンカー・ベルみたいに嫉妬してもいいものを、私はウェンディとピーターがくっつけばいいのにって。森さんが『ピーター・パン』の世界はごっこ遊び、子供たちがお父さんやお母さんを演じているとおっしゃったのが印象的で、子供心を思い出さなければ!と思っているところです」

13歳から18歳まで、夏になるとピーターを演じてきた吉柳。彼女にとってピーターはどんな存在なのだろうか。

「夏といえば、プールや海、お祭りに行くなどみんなが青春している時に、私はずっと空を飛んでいました。それは私にしかできない青春だし、何よりもこの仕事をしていると、心が大人になり切れない状態でも大人にならなければいけない瞬間があって。そんな時、『ピーター・パン』は、私、ここにいる時は子供でいていい、何も考えずに等身大で楽しんでいいと思える場所でした。この作品で多くの人と関わる機会をいただき、私のお芝居の原点はここだと思っています。ピーターのおかげで、私は大人にもなれるし子供にもなれる。明るくなりたい、テンションを上げたい、また頭の中のモヤモヤを捨てる時には、脳内にピーターを召喚します。今では私を助けてくれるヒーローみたいな存在です」

また、これまでの一番の思い出を聞かれた吉柳は、2021年版をあげた。

「去年はすごく楽しかったんですけど、演出が変わるのはやはり大変。台詞や歌詞が変わって、元々演じていたピーター・パンの固定概念が180度覆された気持ちになったこともありました。森さんが作るピーターってかなりおかしいんですよ(笑)。破天荒でわがまま。でも愛おしくて、すごくかわいらしくて放っておけない。自分で台詞を言いながら笑っちゃったりする瞬間が結構ありました。楽しいけれども中学生の頃みたいにエネルギーだけで突っ走れるわけではなく、体力的にはきつかったこともありました。いろんな感情でいっぱいいっぱいにもなりました。でもコロナ禍による公演中止を経て、再び舞台に立てた喜び。舞台ってこんなに楽しいんだ!と実感できた、思い出深い年でした」

最後に、吉柳は思いを込めて締めくくった。

「今回が最後というとすごく寂しくなりますが、ピーター・パンとして確実に成長していると思っていただけるように、そして純粋に観客の皆さんのこの夏の良い思い出として残るように、一生懸命稽古しています。期待して待っていてください!」

吉柳咲良ラストのピーター・パン、楽しみに見届けたい。

文=三浦真紀
撮影=田中亜紀

<公演情報>
青山メインランドファンタジースペシャル
ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』

ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』告知画像

【東京公演】
期間:2022年7月23日(土) ~8月2日(火)
会場:東京国際フォーラム ホールC
主催:フジテレビジョン / スポーツニッポン新聞社 / ホリプロ
特別協賛:青山メインランド
企画制作:ホリプロ

【大阪公演】
期間:2022年8月13日(土)・8月14日(日)
8月13日(土) 11:00 / 15:30(貸切)
8月14日(日) 11:00
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場 / ABCテレビ
特別協賛:メインランドジャパン
企画制作:ホリプロ
お問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)
https://www.umegei.com/schedule/1040/

【スタッフ】
原作:サー・ジェームズ・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
作詞:キャロリン・リー
作曲:モリス(ムース)・チャーラップ
潤色・訳詞:フジノサツコ
演出:森 新太郎
翻訳:秋島百合子
音楽監督・編曲:村井一帆
美術:堀尾幸男
照明:佐藤 啓
音響:井上正弘
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:鎌田直樹
振付:新海絵理子
アクション:渥美 博
フライング:松藤和広
歌唱指導:満田恵子
演出助手:伴・眞里子
稽古ピアノ:金森 大
舞台監督:二瓶剛雄 / 瀧原寿子
エグゼクティブ・プロデューサー:堀 威夫

【キャスト】
ピーター・パン:吉柳咲良
フック船長 / ダーリング氏:小西遼生
ウェンディ:岡部 麟(AKB48)
タイガー・リリー:田野優花
ダーリング夫人:壮 一帆

《海賊たち》
スミ―:佐川和正
マリンズ:笠原竜司
ビル・ジュークス:中山 昇
スターキー:久礼悠介
ヌードラー:冨永 竜
セッコ:渡部又吁

《迷子たち》
ふたご2 :石川鈴菜
カーリー:倉澤雅美
ニブス:澤田美紀
トートルズ:中野 歩
ふたご1:なづ季澪
スライトリー:松崎美風

《森の住人たち》
一条俊輝
井上弥子
黒田 陸
佐藤アンドレア
澤村 亮
鈴木昌実
深瀬友梨
渡辺崇人

ジョン(Wキャスト):酒井禅功 / 津山晄士朗
マイケル(Wキャスト):遠藤希子 / 君塚瑠華
ナナ:三浦莉奈

《スウィング》
伊藤かの子
佐山太一

チケットはこちら:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2203021

公式HP:
https://horipro-stage.jp/stage/peterpan2022/

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